渡辺えり(66)八嶋智人(50)が7日、都内で、舞台「喜劇 お染与太郎珍道中」(2月1~17日、東京・新橋演舞場)の制作発表会見に出席した。

新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言下での公演となるが、渡辺は「去年、演劇、映画、生のものがいかに大切かを再確認した。コロナ禍だからこそ必要なもの。感染しないやり方を考えながら、やり続けることが大事。今だからこそやりたいし、見ていただきたい」と語った。

昨年3月に同劇場で予定されていた渡辺とキムラ緑子のコンビによる舞台「有頂天作家」が全公演中止になった。渡辺は「ゲネプロ(=公開通し稽古)までやって結局本番できなかった。あの切なさはずっと今もあります。相手役の表情、衣装の色まで焼き付いています。あの時の悔しさは体の中の細胞に入れて、今回やろうと思います」。

また、新型コロナ肺炎で亡くなった岡江久美子さんがゲネプロを見に来てくれたことに触れ、岡江さんが亡くなったことにいまだに大きな衝撃を受けているとした。渡辺は「やりたくてもやれない人たち、亡くなった人たちの分もやることを考えたい」との決意を語った。

渡辺と八嶋は夫婦役。八嶋が「日常が喜劇状態。喜劇と銘打たなくても、存在が喜劇」と言えば、渡辺は「一言、二言、三言多い」と、舞台を期待させる掛け合いを見せていた。2月21~27日は京都南座公演。