元宝塚歌劇団星組トップで女優の紅ゆずるが1日、大阪・通天閣で行われた「通天閣節分福豆まき」にゲスト出演した。同所での豆まきは、節分前日に行われる「一足早い」恒例行事で、今年で65回目だった。

大阪市生まれの紅は「通天閣を見ながら育った。歴史ある行事に参加できて光栄です」とあいさつ。通天閣の展望台で豆をまき、正面玄関では、集まった約150人の一般客に「福豆配り」を行った。

新型コロナウイルスの影響で、今年はステージから真下への豆まきをやめ、非接触での「福豆配り」に変更。紅らがシート越しに、テーブルの上に福豆を置くという対策をとった。通天閣の高井隆光社長によると、「福豆まき」が「福豆配り」になるのは初めて。

福を授けた紅は今後、退団後初舞台となるコメディーミステリー「アンタッチャブルビューティー~浪花探偵狂騒曲~」(4月16~26日、大阪松竹座)が控える。「舞台の成功と通天閣のますますの発展、大阪のみなさんの笑顔が増えますよう、願いをこめて豆をお配りしたい」と意気込んだ。

地元大阪のシンボルでのイベントを終え、紅は「今は高いビルがけっこう立っているんですけど、昔はベランダから通天閣が見えた。自分の出身の大阪でこういう行事に呼んでもらえるのは光栄」と喜んだ。

コロナ禍には「普通の生活がとても尊いと、みなさん身に染みて分かってると思うので、それが早く日常になればと思って豆を投げました」と振り返った。

宝塚歌劇でも公演中止や延期が相次ぎ、紅は「宝塚は期間限定であるから、とても美しく尊い。その中で舞台ができないのは本当に苦痛だと思う」と、古巣を思いやる。

その上で「舞台に立つのが当たり前でない、貴重だと思い返すチャンス。見に来てくれるお客さまも命がけ。それ以上の感動を与えられる舞台人になってほしい」とエールを送った。

「アンタッチャブル-」に出演する「劇団patch」の竹下健人(27)と、松竹新喜劇女優の桑野藍香(29)も参加した。