女優松井玲奈(29)が13日、小説第2作となる「累々」(集英社)発売記念トークイベントをオンラインで行った。

19年4月に短編集「カモフラージュ」で小説家デビュー。今回は5つの作品からなる連作短編集で「1つ1つの話は独立しているんですけど、全体としては世界観とか1つにつながっています。これまで短編の小さなところで書いていたので、書きながら新たに広がっていくのが大変でした」。

タイトルの「累々」については「『死屍(しし)累々』のイメージが強いと思うんですけど、累々には重なっていくという意味があって、人間は経験したことや出会いとかが積み重なってできていると思うんです。作品の中の登場人物も、いろいろなことが積み重なっていると思うので、このタイトルにしました」と明かした。

イベントでは、書店員からの質問にも答えた。女優との両立については「同時並行ではなかなかできない人間なので、撮影のときは撮影に集中して、書く時間は決めて、まったく進まなくても原稿と向かい合う時間を持つようにしています」。作品を書く中では、会話劇を書くのが楽しいといい「あまり続くと小説にならなくなってしまうので、『そろそろ地の文を入れなきゃ』とか、行ったり来たりしながらやってます。会話を書くのは楽しいです」。

また最近では、日々の出来事をメモするようになったといい「記憶力が悪いので…。見て感じたことは作品にプラスにできるのに、これまではどんどん抜け落ちていたので、今は寝る前とかに、その日あったことや、すてきだったこととかを書くようになりました」。次回作に向けても「明確なハッピーエンドの作品は作ったことがないので、できるだけ前向きで、人の背中を押せるポップな内容にしたい」と意気込んでいた。