V6がデビュー26周年を迎える今年11月1日をもって解散することを発表した。メンバーの森田剛(42)は同日をもって同事務所を退所し、坂本昌行(49)長野博(48)井ノ原快彦(44)三宅健(41)岡田准一(40)は同事務所に残り、ソロで活動する。

ジャニーズ事務所では、活動の大きな節目を迎えるグループが続いている。16年末にSMAPが、18年末にはタッキー&翼も解散した。嵐は昨年末をもって活動休止。08年から実質活動休止状態だった少年隊も、昨年末に錦織一清(55)植草克秀(54)が退所し、グループ名は残したが今後活動予定はない。TOKIOは長瀬智也(42)が今月いっぱいで退所し裏方に専念。城島茂(50)ら3人で存続し、事務所子会社の「株式会社TOKIO」を設立する。

「グループの解散や活動休止、タレントの退所が相次いでいるが、ジャニーズ事務所は大丈夫なのか」という声をしばしば耳にするし、情報番組関係者などから聞かれることも多い。ジャニー喜多川前社長(享年87)が19年7月に亡くなり、求心力の低下を指摘する意見や報道もある。ただ、一連のグループの節目を取材して思うのは、「ケース・バイ・ケース」。これに尽きるのではないか。

たとえば少年隊の2人の退所には、ジャニー氏の死去も関わっているという。ジャニー氏へのリスペクトを込めてグループ名を残したことからも、同氏の存在の大きさを感じさせる。一方、V6はジャニー氏が亡くなる前の19年春ごろから6人で将来について話し合っており、直接の因果関係はないとみられる。親しい関係者は「心のどこかにジャニーさんのことも浮かんだのかもしれないが、基本的には25周年を前にメンバーたちの意思で決めたことでしょう」と話す。

同じ解散でも、SMAPとタッキー&翼は当然ひとくくりにはできない。メンバー間の溝が埋まらなかったSMAPは、事務所から活動休止も提案されたが、メンバー数人から「休むより解散したい」という要望があったという。一方のタッキー&翼は、17年に活動休止し、18年に解散。今井翼(39)は当時病気療養中で、「まずは自分の体としっかり向き合うため、ジャニーズ事務所を退所し、仕事という背負いもなくした状態で病気を克服し、心身共に健康な状態になることに専念したい」とし、退所を決断している。

タレント単位でも、元関ジャニ∞の渋谷すばる(39)や元NEWSの手越祐也(33)、山下智久(35)は退所を選択したが、長瀬や森田も含めて、それぞれ事情は異なる。一口に「退所」と言っても、正式に順序を踏んだパターンや、突発的なケースもある。円満の場合もあれば、そうでないものもあるだろう。

もちろん、30代中盤から40代以上のいわゆる“適齢期”を迎えたアイドルが、あらためて自分の将来について考えるのは自然なことで、その結果「解散」や「退所」が選択肢となることもあるだろう。特に、一時代を築いた人気グループがこの世代に多いジャニーズ事務所にとっては、ここ数年でさまざまな節目を迎えるグループが増えているのも、ある意味“想定内”かもしれない。

まだまだ記者として未熟者の自分としても、情報を発信する立場の端くれとしては、安易に「解散が相次いでいる」「退所者が続出」という表現に頼るのではなく、1つ1つの「ケース」を取材で見極め、慎重に発信できるように心がけたいと思う。【横山慧】