乃木坂46堀未央奈(24)が28日、生配信ライブ「9th YEAR BIRTHDAY LIVE ~2期生ライブ~」に出演し、グループから卒業した。8年間ともに活動した同期とともに、3時間にわたってパフォーマンスを披露した。アンコールで、白いドレスを着て登場。涙ながらに家族やメンバー、ファンに感謝を伝えた。全文は以下の通り。

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皆さん、今日の配信ライブ、2期生ライブ、どうでしたか? 私は、リハーサルからもそうなんですけど、ライブ本番中も、この時間がずっと続けばいいのになって思っていました。昨年、2期生ライブを配信でスタジオでやらせていただいて、今回はこんなすてきなセット、いろんな衣装を用意してくださって、2期生ライブっていうのが実現できて、この8人でできて、本当によかったな、って思います。

私は、あまり乃木坂に入る前のこととか、家族の話をしてこなかったので、少しお話ししようかなと思います。

私は、いろんなオーディションを受けて、ようやく受かったのが乃木坂46というグループで。もともとは自分に自信もなくて、夢もなくて、正直全然ぱっとしない毎日を過ごしていたんですけど、でもどうしてもアイドルになりたいって思いが強くなったのは、それだけ乃木坂46っていうグループに魅力を感じたからかな、と思います。

私は岐阜県出身なので、乃木坂に合格したら上京しなくちゃいけないっていう条件があって、家族に相談したんですけど、母も、姉も、全然、否定することなく、応援してくれて、家族と離れるのはすごく寂しかったんですけど、どうしても乃木坂46として活動したいなっていう、自分自身がとにかく変わりたいっていう思いが強くて。上京することに決めました。

もともと、小さい頃から体がすごく弱かったので、母にはすごく心配をかけました。母は、一日中働きながら、私と姉の面倒を見てくれて、家事をしてくれて。休日は旅行に連れて行ってくれたり。自分のことよりも、私たちのことを優先してくれる、本当に尊敬できる母でした。本当にお母さん子で、お母さんが大好きで、私が上京するって時は、お母さんはすごく寂しそうにしていたけど、頑張ってねって背中を押してくれました。

当時は母の苦労というか、「何でお母さんってここまで強いのかな」って、それくらいしか分からなかったけど、今24歳になって、ようやく、少し母の気持ちも分かるようになって、お母さんじゃないから、全然分からないことのほうが多いけど、本当に1人の女性として尊敬できる、すてきな母です。

そんな母が、今日のライブもだし、今までのライブも歌番組も見てくれて。ちょっと恥ずかしかったけど、本当はすごくうれしかったです。お母さんが今日の今日まで応援してくれたっていうのもあって、私は楽しく活動できたっていうのがあります。私が絶対お母さんを幸せにします。ひとまずこの乃木坂の8年間、ありがとうございました。

そして、お姉ちゃん。お姉ちゃんは、ちょくちょく私がいろんなところでお話をしているので、多分ファンの方もどういう人なのかご存じだと思うんですけど、メークとか美容とかに疎かった私に、一から姉は教えてくれて、ケンカも多いけど、ずっと味方でいてくれたお姉ちゃんでした。「いつでも辞めていいよ」って姉は言ってくれていたので、そんな言葉に支えられて、そうずっと言ってくれていたから、私は諦めずにこの活動を続けられたのかなって思っています。本当にありがとう。幸せになってください。

中学時代は、友達関係で悩んで、ずっと頑張っていた陸上部も辞めて、何も続かない、自信もない、自分も嫌いになるし、人のこともあまり信じられなくなっていた時でした。でも私がずっと、変わりたいと、強くなりたいと思い続けて、乃木坂46に入って、活動してきたと思っています。そんな弱い自分は、自分が一番知っているから、強くならなきゃってずっと思っていたし、私が私のことを好きでいられるきっかけを、乃木坂46という場所が作ってくれたなって思っています。

今もこうして歌を歌って、ダンスを踊って、ファンの皆さんの前でこういう風にお話をして、やりたいこともたくさんあって、夢もたくさんあって、次の新しいことに、前向きに向かおうとしているっていう。そんな風に強くなれたのは、乃木坂46でたくさんのことを経験して、いろんな人の優しさに触れて、支えられたからだなって思っています。

私は、加入してすぐセンターに選ばれて、16歳で何も分からないまま、1期生の方の中に、1人で入らせていただいて、自分の実力のなさというか、自信を持って何もできない自分に、すごく悔しくて。今振り返っても、7枚目(シングルの)期間はすごく悔しかった期間だなって思います。でも、そんな私を受け入れてくれて、ずっとずっと、かっこいい背中を見せてくださった1期生の皆さん。私が入る乃木坂は、乃木坂46と言えば1期生の皆さんでしかなくて。8年たった今でも、尊敬の気持ちと、憧れの気持ちは、ずっとずっと変わりありません。

入る前も、入った後も、こんなすてきなグループがあるんだなって思えたのは、1期生の皆さんの姿を見ていたからだなって思います。本当にありがとうございました。

そして、3、4期生のみんな。人見知りながらに、みんなと話した期間が、すごくいい思い出です。完成されつつある乃木坂46に加入して、いろんなことを任されて、っていうのはすごくプレッシャーだったと思うけど、それでもたくさん努力して頑張っている姿を見て、私はすごく心強くて、本当にうれしかったです。

3、4期生のみんなは、メンバーだし、後輩だけど、本当の妹のような存在で、甘やかしたいときは甘やかしたいし、でも、時には厳しくっていう、すごく特別な存在でした。先輩らしいことはできていたか分からないけど、先輩にも、メンバーにも、甘えるときは甘えて、でもちゃんと責任や、グループのいちメンバーとしての自覚を持つときは、持って。全力でこれからも頑張ってほしいな、って思います。乃木坂46は本当にすてきなグループなので、誇りを持ってこれからも活動してください。

そして、2期生のみんな。2期生はそれぞれいろんな思いとか経験をして、それぞれがきっと思うこともたくさんあって。でも、私も本当はみんなといろんなことを経験したかったし、いろんな景色も見たかったな、って正直思います。

でも、こうやって今日ライブできたこともそうだし、2期生のみんなって、本当に自分のことよりも、人がくじけていたら、すぐに手を差し伸べられる、強くて優しい人たちの集まりだなって思っていて。きっと、最初に私がセンターになった時も、いろんなことを思っただろうし、たくさん気を使ったり、支えてくれたり、自分の思いを押し殺して、こんな私のために、たくさん手を差し伸べてくれました。

それぞれがそれぞれの道で、もっと活躍して、私はこれから乃木坂46のメンバーとしてではなく、いち人間というか、堀未央奈として、テレビの前とかでみんなのことを見守ることになると思うけど、みんなが乃木坂を引っ張りつつ、それぞれが活躍して、幸せな人生を歩んでほしいな、って本当に心から思っています。

そして最後に、今日配信を見てくださったファンの皆さん、配信は見られていないけど、ずっと応援してくださっている皆さん。皆さんの支え、応援、温かい声援、それがあったから、私は今まで、くじけたり、つらかったり、悩んでも、前を向いて進めたんだな、って本当に思います。

楽しい時、うれしい時は一緒に喜んでくださって、つらいときは一緒に悩んで、苦しんで、頑張ろうねって言ってくださって、そういう存在って、家族とか親友以外で、できるとは思っていなかったので、不思議な体験というか、本当にうれしかったし。皆さんがどんな私も肯定して、堀ちゃんは堀ちゃんのままでいいよ、って言い続けてくださったから、私も、自分を信じて、8年間、ありのままの自分でいられたんじゃないかなって思います。

私にも、アイドルになりたいって思うきっかけの方がいて、憧れの方がいて、夢をかなえて。私に憧れてくれて、アイドルになったっていう方たちに出会えることもあって。そういう夢の連鎖じゃないですけど、誰かの力に、誰かの原動力になれているかもしれないって。応援してくださっている皆さんの、元気の源になれたらいいなって思っています。これからも。

明日からは、乃木坂46の堀未央奈ではなく、1人の女性として、堀未央奈として、歩んでいきますが、乃木坂46で経験したこと、感じたこと、この8年間、いろんなことを胸に、明日からもたくさんのことに挑戦し続けて、感謝の気持ちを忘れずに、私の道をしっかりと歩んでいきたいなって思います。

やり残したことは、きっと、私以外の卒業された方も、これから卒業する子にも、そういう悔しかったことって、たくさんあると思うし、全てが思い通りにいくっていう世界はないけれど。私は、うれしかったことや楽しかったことはもちろん、そういう悔しい気持ちというか、もっとこうしたかった、って思う気持ちを絶対に忘れずに、自分の胸にしっかりと刻んで、もっともっと今応援してくださる皆さんもこれから出会う方々にも、堀未央奈ちゃんってすごいな、おもしろいな、って思ってもらえるように頑張りたいなって思います。

そして、乃木坂46というグループは、本当にすてきな、私がこのグループにいたっていうのが夢のような、自慢のグループで。そんな乃木坂46の応援も皆さん、これからよろしくお願いします。

次の曲は、私が最初で最後にいただいたソロ曲になっています。初めての主演映画「ホットギミック」で監督をしてくださった山戸(結希)監督が今回MVを撮ってくださり、人にはあまり弱い部分とか、そういう部分をあまり話したくはない人間なんですけど、山戸監督はそういうことをたくさんくみ取ってくださる方で、それをこのMVに詰め込んでくださいました。

自分ではあんまり気付かなかった自分の気持ちというか、本当にこの歌詞をいただいた時に、この曲が最後に、ソロ曲として歌えてよかったなって思えた、すごくすごくすてきな曲です。歌は得意じゃないけど、気持ちを込めて歌うので聴いてください。「冷たい水の中」。