歌手松任谷由実(67)が29日、新潟・苗場プリンスホテルでライブ「SURF&SNOW」初日公演を行った。

1981年(昭56)にスタートし、今回で41回目を迎えた恒例イベントは2月に開催予定だったが、コロナ禍で初めての延期開催に。ライブ自体が昨年の同公演以来となったユーミンは、ファンに「来てくれてありがとう! この1年長い道のりでした。皆さんにとっても長い1年だったと思います。こんな時だからこそ、いつもとちょっと違うステージをお届けします」と呼びかけた。

入場ゲートにエアシャワーを、会場内に紫外線空気除菌装置8台を設置するなど感染対策をしながら、そんな対策を逆手にとる演出でも楽しませた。会場の収容人数50%となる600人の観客には、ミラー加工されたフェースシールドを配布。照明に反射する仕組みで、ユーミンもステージ上から「スター・ウォーズの世界にいるみたい!」と笑顔を見せた。

「宇宙旅行」というテーマも、このフェースシールドから思い立ったといい「我々のステージは、何がヒントになるか分からないんです」と、してやったりの表情。約1年ぶりのライブで「まだ体が慣れていない」としながらも、汗をかきながらダンスパフォーマンスも。来月7日の公演で苗場ライブ300回の節目も迎えるが「お客さんがいてくれたからこそ続けられました」と感謝した。

コロナの影響で、エンターテインメント界も苦難の道が続く。ユーミン自身も、昨年の夏前までは「廃人のようだった」という。それでも「音楽が好きだ!」という思いで、アルバム作りにも臨み、延期となったものの、苗場ライブにも帰ってきた。

「コロナで、人のことをおもんぱかれるようになった。こうやってライブをやると、(スタッフも含めて)みんな集まれて、元気でいてくれたな? って。そこから推し量っても、ライブをやると、あまたのアーティストに、あまたのスタッフがいる。みんなでしのいで、頑張ってほしい」。目に熱いものもためながら、エンタメ復活に向けても、“春よ、来い”と願っていた。【大友陽平】