韓国の男性7人組ヒップホップグループ、BTS(防弾少年団)が21日に、最新デジタルシングル「Butter」をリリースし、オンラインでグローバル記者会見を開いた。

同曲は、全世界で人気を博している「Dynamite」に次ぐ、2曲目の英語楽曲。曲名にちなみ、J-HOPE(27)は「バター色(黄色)の髪になりました(笑い)。バターの入ったキムチチャーハンを食べました」とジョークを飛ばし、笑いを誘った。

今回の「Butter」と「Dynamite」は、英語詩という共通点はあるが、込められた思いは違う。

「Dynamite」は、全世界で新型コロナウイルスが猛威を振るう中「皆が大変な時期に活力と希望のメッセージを伝えたい」という思いが込められた楽曲だ。米ビルボード「HOT100」チャートでは初登場1位、日本でも3億回ストリーミングを突破するなど、社会現象を巻き起こした。

米音楽界最高の栄誉とされる「第63回グラミー賞」の「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞」に、アジア人歌手として初めてノミネートされ、同授賞式で、同曲を披露したことも記憶に新しい。

そして「Butter」。ダンスポップベースで、楽しい雰囲気のサマーソングとなっており、JUNGKOOK(23)は「さわやかな感じのするダンスポップの曲です。メロディーも1回聞いたら忘れられない曲ですし、パフォーマンスも何回もみたくなる曲になっています」と紹介した。

込めたメッセージについて、JIMIN(25)は「大げさなメッセージというより、『バターのように滑らかにとけ込んで、君をとりこにする』など、かわいらしい歌だと思っていただけたら」と語った。

JUNGKOOKも「多くの方が、今年の夏はBTSのバターと一緒に楽しく過ごしていただけたらという気持ちです」と話し、続けて「それだけで十分です」と語った。

ミュージックビデオ(MV)は、公開から2時間で3000万回再生を突破するなど、世界中から爆発的な人気を集めている。コロナ禍で、ファン(通称「ARMY」)に会えない時間が続いているため、MVではメンバーが体で「ARMY」を表現している場面もあり、愛を伝えている。

「Dynamite」は、第63回グラミー賞にノミネートされたが、惜しくも受賞を逃した。SUGA(28)は「グラミー賞を受賞したい気持ちは今もありますし、バターでもう1回、挑戦したいという思いはあります。そして、良い結果が得られたらいいなと思います」。

リーダーのRM(26)は「本当にたくさんの方が気になっているように、グラミー賞ももちろん念頭に置いています。最善を尽くして挑戦したいと思います」と、力を込めた。

今年も、彼らのパフォーマンスから目が離せない。ちなみに、その他の点で筆者が「すごいな」と感じるのは、会見時に記者からの質問にメモを取ること。

日本のアーティストとは違い、韓国のアーティストは、新曲発売時に会見を行うことが多い。その中で、多くのアーティストが世界中から寄せられる質問を、メモを取りながら聞く。そのため、1人の記者に複数質問されたとしても、的確な回答をする。

日本では政治家の会見でさえも「もう1つは何でしたっけ?」と聞き返すケースも見かける。メモをすることで、自然と頭の整理もできるのだろう。「この質問、結構突っ込むな」と感じる問いにも、冷静に順序立てて対応していた。メモの大切さと同時に、これがプロの対応だと、BTSから教えてもらった。【佐藤勝亮】