昨年12月に肝臓がんのため81歳で亡くなった作詞作曲家の中村泰士さんを追悼する「メモリアルGPOPライブ」が4日、大阪市北区のビルボードライブ大阪で行われた。ライブは2部制で約300人が参加した。

ステージに設置されたスクリーンには生前の中村さんの写真や歌唱する映像などが映し出され、生バンドが「北酒場」など17曲を演奏した。中村さんは生前、「僕が亡くなったとき、立派な葬儀はいらないから、どこかの会場で僕の音楽を好きな人、僕の音楽を知らない人にも来てもらってライブを楽しんでほしい」と言い残しており、追悼の音楽祭的イベントを望んでいた。遺志に沿い、5月24日に開催予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期されていた。

ライブの実行委員会の担当者は「88歳、90歳のときに行う引退ライブをイメージして構成した。本人は過去のヒットメーカーではなく、最後まで音楽をしていたというスタンスでした。まだ生きている最後の引退ライブです」と説明した。ライブ終了後、担当者は「本人が一番、喜んでくれているかも」としみじみと話した。

中村さんは日本レコード大賞受賞曲「喝采」「北酒場」などを手掛けた。スクリーンには最後に中村さんの「私の人生に音楽があって良かった」とメッセージが映し出された。