5月に大動脈弁狭窄(きょうさく)症で手術を受けた俳優渡辺徹(60)が、「いまさらふたりでPart2 朗読劇『家庭内文通』~きっかけはいつも夫婦喧嘩! 家族の愛情物語~」(9月25日、東京・草月ホール)で復帰する。妻でタレント榊原郁恵(62)、長男で俳優渡辺裕太(32)との共演作で、親子3人が初共演する。3人は11日、都内で日刊スポーツなどの取材に応じた。

約1カ月入院し、渡辺は5月下旬に退院した。現在は週2回、有酸素運動の心臓リハビリと筋トレを行っている。渡辺は「術後の経過も良く、(血液の)流れが良くなった」と笑みを見せた。今月から打ち合わせなどを開始しており、朗読劇で本格復帰となる。

同作は、渡辺の還暦とデビュー40周年の節目を記念して企画された。治療やリハビリに取り組む原動力になったそうで、渡辺は「この作品に間に合うように(体への負担が少ない)手術法を選択しましたし、存在は大きい」と話した。

退院後は、夫婦2人で過ごす時間が増え、互いの存在も再確認した。渡辺は「女房のでかい声を聞いて帰ってきたなと思いましたし、病院にいた人間にとってエネルギーになった。結婚後、2人きりでいたのは初めてに近かったので、新鮮な時間でした」と言い、郁恵も「夫婦として家族として濃密な時間を過ごしました」と話した。

脚本を手掛ける岡田恵和氏からも夫婦の出来事について「取材」を受けたそう。設定はフィクションだが、実際のエピソードも盛り込まれそうだ。

両親と初共演する裕太は「岡田さんの作品でチャレンジしてみたいと思いましたし、父親の大きな節目」と話し、事務所を通して公式なルートで出演希望を伝えたという。渡辺は「家族だと赤裸々ですからエネルギーを使うと思う」、郁恵も「熱いバトルが行われるような気がしてます。貴重な時間になる」と期待している。【小林千穂】

◆「いまさらふたりでPart2 朗読劇『家庭内文通』~きっかけはいつも夫婦喧嘩! 家族の愛情物語~」 NHK連続テレビ小説「ちゅらさん」「ひよっこ」などで知られる脚本家岡田恵和氏のオリジナルストーリーで、文学座の鵜山仁氏が演出を手掛ける。8月2日からチケット発売。「いまさらふたりで」シリーズ第1弾は17年、渡辺と郁恵の結婚30周年記念に行われた読み聞かせライブ。

○…裕太は劇団「マチダックス」を主宰、「劇団ポップンマッシュルームチキン野郎」に所属し活動中だ。日本テレビ系「news every.」(月~金曜午後3時50分)の中継リポーター、同局系「所さんの目がテン!」(日曜午前7時)にも出演。今回、脚本を手掛ける岡田氏の作品が好きで「ひよっこ」のオーディションで最終選考に残ったことも。特技はパスタ作りで、ジュニア野菜ソムリエの資格を持つ。