野外ライブには、天気との兼ね合いがつきものだ。きれいな夕焼けが見られることもあれば、荒天で中止になることもある。どんなに入念に準備をしても、こればかりは時の運。“お天道様次第”と言っていいだろう。

櫻坂46と日向坂46が7月9日から3日間、山梨・富士急ハイランドコニファーフォレストで、初の合同野外ライブ「W-KEYAKI FES. 2021」を開催した。初日が櫻坂46の単独公演、2日目は日向坂46の単独公演、千秋楽は2グループ合同ライブだった。

開催数日前の天気予報では、3日間とも雨だった。初日公演は開演前からあいにくの空模様。だがライブが始まると次第に雨脚は弱まり、序盤にはやんでいた。その一方で中盤からは、会場一帯に濃い霧が立ち込めてきた。

現地を訪れた関係者によると、中盤の「思ったよりも寂しくない」では会場中央のステージに黄色い光が当たり、水柱と霧に反射して見応えたっぷりだったという。続く「ブルームーンキス」ではメインステージから出る青の光が霧に溶け、幻想的な雰囲気を醸し出していたという。

2日目は一転して終始晴天だった。都内でも真夏日となったこの日は、太陽が照りつけた。ファンの愛称が「おひさま」で、「空色」をグループカラーにする日向坂46にうってつけの天気だった。

2日連続で晴天となった千秋楽の合同ライブで、櫻坂46のキャプテン菅井友香(25)と、日向坂46のキャプテン佐々木久美(25)が天気についてトークした。佐々木が「櫻坂さんのライブを、日向坂全員で見させていただきました。すごい霧が掛かっていたんですけど、それもすごくモノにしているというか、格好よかったです!」と話すと、菅井も「日向坂のライブもみんなで見ていたよ。『持ってる』よね。日向坂だからこそ快晴になった。今日以上のお天気じゃなかった?」と笑った。

両グループとも、改名を経て個性をさらに磨いている。欅坂46時代のクールでメッセージ性の強い世界観だけではなく、女性らしい「華」も加わった櫻坂46と、けやき坂46(読み:ひらがなけやき)時代から培った見る者を幸せにする「ハッピーオーラ」を武器に、多くのバラエティー番組でも活躍する日向坂46。3日間とも、それぞれの魅力を存分に発揮した。

もし初日と2日目の天気が逆だったら、違う結果になっていた可能性もある。そう思うと、今回はどちらのグループも「持ってる」ということでいいのかもしれない。【横山慧】