黒沢明監督が戦後の混乱期に生きた人々を描いた映画の舞台版「酔いどれ天使」(9月3~20日、東京・明治座など)の制作発表会見が19日、都内で行われた。

映画では三船敏郎が演じた肺病に侵されたやくざ役の主演桐谷健太(41)は「めちゃくちゃワクワクしていますし、舞台は生ものなので、1公演1公演、出し切っていきたい。見終わった後、観客の皆さんに楽しく強く生きていこうと思っていただけるよう、エネルギー、波動を惜しみなく出していく」と、力強くあいさつした。

医者を演じる高橋克典(56)は、映画を何度も見たそうで「まさか志村喬さんの(演じた)役をやらせてもらえるとは。あこがれ以上のものがある」と話した。

高嶋政宏(55)は黒沢&三船コンビを「もっとも崇拝する2人」とし、2人が初タッグを組んだ作品の舞台版に出演できることに「興奮のるつぼです」。

脚本は蓬莱竜太氏、演出は三池崇史氏が手掛ける。蓬莱氏は「演劇の基本中の基本であるモノローグ(=独白)を多く使用する。同時多発もあり、演劇的手法を楽しめる。演劇の『酔いどれ天使』になるといい」と話し、三池氏は「許されるなら、すばらしい台本をお配りしたいくらい。これで心が揺れなければ、自分の責任。(役者は)演じているんだけど、心がむき出しでぶつかり合うような舞台にしたい」と話した。

ほかに佐々木希(33)田畑智子(40)篠田麻里子(35)が出演する。10月1~11日は大阪・新歌舞伎座公演。