東京オリンピック2020は連日、熱戦が繰り広げられている。先日、過去のオリンピックの名実況を調べて記事にした。今回も感動的なアナウンサーの実況や、選手のコメントが出ている。

体操の男子個人総合決勝で、橋本大輝(19)が最終種目の鉄棒で金メダルを獲得した際の、テレビ朝日・清水俊輔アナウンサー(41)の実況は良かった。「体操ニッポン、王者の伝統がここ東京で、確かに引き継がれました」。

柔道男子100キロ級で、金メダルを獲得したウルフ・アロン(25)が延長に強いことを表現したフジテレビ西岡孝洋アナウンサー(45)の「ウルフタイム」も大きな話題となった。

選手の名言では、水泳男子200メートルで、ともに決勝に進んだ萩野公介(26)と瀬戸大也(27)の言葉が感動的だった。萩野は「神様がくれた贈り物としか思えないくらい幸せ」と号泣し、瀬戸は「2つの日の丸を背負ってやりたい」と誓った。メダルは逃したが、こちらも記憶に残る名言になるだろう。

過去の名実況、名言を調べる中で、日本人選手と対戦した外国人選手の、とても感動的な名言を見つけた。ブラジル・リオデジャネイロ大会(16年)のレスリング女子53キロ級決勝で、無敵の女王だった吉田沙保里を破ったヘレン・マルーリス(現29、アメリカ)の言葉だ。「サオリのことを研究すればするほど、彼女のことが好きになった。彼女と戦うことは夢だった。サオリは敵ではない。神様は本当にそれを私に教えてくれました」(USAトゥデー)

そのヘレンは、57キロ級で東京オリンピックに出場する。川井梨紗子(26)がライバルとなる。「リオで吉田と戦えて光栄だった。今回、川井と戦えるなら、それも名誉なこと」と話している。レスリング競技は8月1日から始まる。ぜひ注目したい。【笹森文彦】

※レスリング女子57キロ級は8月4、5日に実施