結成25周年を迎えた、ワハハ本舗のお笑い音楽ユニット、ポカスカジャンが27～29日に、東京・下北沢「シアター711」でライブ「ミュージカル式　ヘルプ！ジョンとポールがやってくる」を上演する。併せて28、29日に同所で新作ライブ「新ネタ100連発」を開催する。このほどメンバーの大久保ノブオ（54）とタマ伸也（52）が日刊スポーツの取材に応じ、今月開催する25周年記念公演への意気込みを語った。

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96年に中山省吾（50）を入れた3人で結成されたポカスカジャン。19年6月に中山が脱退して2人になったが、毎年暑苦しい時期になるとオンエアされるアイス「ガリガリ君」のCMソングでおなじみだ。

 

大久保　元々は学生時代からずっと、ロックバンドをやってたんですけど、たまたま新宿で通りがかって見た公演が、あの裸スーツが初登場する歴史的な舞台だったんです。ロック一筋だったんですけどね。

タマ　久本（雅美）さんが当時、テレビに出始めていてね。

大久保　「まちゃみ、出てるんだ」と。じゃ、入ってみるかと。当日券で入って見たんです。あんまり前情報もなくて、階段の上に若手がふんどし姿で出てきた。ふんどし取ってお尻出して、そっからうんち色の幕がドーッと下りてきて、そこに「ずっこけ～」っている。そこで「ウワッ！　ロックだな！」と。ずっとロックをやってきた僕がロックだと感じた。

タマ　下ネタじゃねえか（笑い）。

大久保　で、その後のダンスで、久本さんと柴田（理恵子）さんが裸スーツを着て出てきた。DJ OZMAが（06年の）NHK紅白でやった。あれを初めて着た舞台でした。

 

芸能史に残る舞台を目撃してしまった（笑い）。

 

大久保　あれって（スーツと）分からないから。本当に裸に見える。なんだ、この人たち、裸じゃねえか。当時、柴田さんは名前も知らなかったから、おばちゃんという感じで、出てきて「なんだ、これ」という感じ（笑い）。で、梅ちゃん（梅垣義明）が出てきて水まいて。柴田さん、なんか精子と卵子のダンスって、客席に出てきて「卵子」ってピンポン球当てられて。

タマ　全然変わってねぇな（笑い）。

大久保　それが、なんせロックだと。エネルギーがあって。で、バンド仲間に「ごめんね、今日でバンド辞めるわ」と。「俺は、この人たちとなんかやりたい。こっちの方がロックだ」って言って、バンド生活にピリオドを打つんですね。

 

それが26年前だった。

 

大久保　普通29歳って…。

タマ　花開いてないなら、普通、田舎に帰る年だよ（笑い）。

大久保　芸人だったら29歳であきらめる。そこでなぜか、スイッチ入れてしまって。うち（ワハハ本舗）の演出家の喰始（たべ・はじめ）に「入れてくれ」と。「お前、本当にできるの？　ちょっと浅草花やしきでワハハの舞台あるから、若手に交じって出る？」って。そこで、うちの辞めちゃった（中山）省吾がバイトしていて、出会うんですよ。で、僕がとにかく喰さんに入れてくれ、入れてくれって言って。で、「うちは募集してないけど、君バンド辞めて来たんでしょ。バンド辞めてきた、その心意気がいいわ。じゃ、コミックバンドにしようか」って。バンド辞めたのに「エーッ、コミックバンドですか？」「コミックバンドで入っていいよ」って。バンド捨てて来たのに、またバンドか。よく分からないけど、花やしきで出会った省吾とやらなきゃいけない。でも、これやらなきゃワハハに入れない。どうしよう？　やるしかない。で、2人じゃ寂しいから誰か1人誘いなさい、と。で、1コ下のバンド仲間だった、彼（タマ）しかいないと。

（続く）

◆ポカスカジャン　1996年（平8）結成。大久保ノブオは67年（昭42）5月3日、長野市生まれ。ボーカル＆バケツドラム、ハープ。タマ伸也は68年9月18日、青森市生まれ。ボーカル＆ギター。19年6月2日に結成メンバーだった中山省吾（50）が脱退。