落語家の春風亭昇吉(41)が18日、母校の東大・安田講堂で「春風亭昇吉 真打昇進披露落語会」を行った。

07年に東大卒業後、春風亭昇太に入門。11年に二つ目に昇進し、今年5月に、東大卒業生として初の真打に昇進した。母校での公演に「感謝の気持ちでいっぱいです。夢がかないました」と心境を明かした。

安田講堂は、昇吉が卒業式で第1回東京大学総長大賞を受賞した思い入れ深い会場だ。当時の副学長から「真打になった時には、この安田講堂で披露公演をやってもらいたい」と言われたといい「厳しい前座修行中も、この安田講堂で真打披露をすることを目標に頑張ってきました」と感慨深く振り返った。

本公演には、桂文枝、師匠の昇太、所属事務所の先輩でもある立川志らくも駆けつけた。「こんなにうれしいことはありません」と喜びつつ「コロナの状況で無観客とはなりましたが、全国、全世界の方に御覧頂いて、ことほぎのムードが伝わればと願います。この披露公演を、実現させてくださった皆様に、重ねて御礼申し上げます」とコメントした。

志らくは、所属事務所の先輩というだけでなく、俳句という共通の趣味があり、TBS系「プレバト!!」(木曜午後7時)で共演経験もある。志らくは「(俳句の名人ではなく)落語の名人になれるよう精進していただきたい」とエールを送った。

師匠の昇太は弟子入りを要望された際のエピソードを明かしつつ「落語の方も一生懸命やっておりまして、頼もしい弟子だと思っております。昇吉を末永くよろしくお願いいたします」と温かく」語りかけた

桂文枝は、昇吉が、学生時代に優勝した全国学生落語選手権「策伝大賞」で審査委員長を務めている。当時を振り返りつつ「あんまり頭が良いとすぐ(落語を)覚えてしまう。覚えたところで終わるんじゃない、落語は。そっからが始まりですから」とアドバイスを送った。

本公演は、東大と、落語芸術協会がSDGsを基盤とし、協定などを視野に入れた連携の第1弾として開催された。