人気上方落語家桂南光(69)が23日、MBSラジオで、NHK「バラエティー生活笑百科」で、亡くなった笑福亭仁鶴さんからメイン進行「相談室長」のバトンを受けた際の秘話を明かした。南光はこの日、同局ラジオ「松井愛のすこ~し愛してハート」の月曜レギュラーとして生出演。仁鶴さんをしのび、思い出ばなしを披露した。

「-笑百科」は、仁鶴さんによる名調子で進んだ名物番組だった。南光も番組スタート当初から15年ほど、相談員としてレギュラー出演していたが、いったん卒業。その後、特番出演を経て、16年4月から「室長」の仁鶴さんをサポートする「室長補佐」としてレギュラー復帰していた。

これは仁鶴さんが「君にきてもろたら楽や」と望んだことで、師匠直々の指名だったという。17年には仁鶴さんが最愛の妻、隆子さんを亡くし、しばらく休んだ後に番組復帰。その直後のことだった。

「本番中に師匠が『南光君』と呼ぶんですわ。突然『あんな、わしな、この番組飽きたわ。なんべんも聞いてんねん。君(が室長を)やれ』言わはって」

本番収録中、漫才師がネタを演じていた際、その陰でこうささやかれていたことを明かした。結局、18年4月7日放送分から、南光は「相談室長代理」から「相談室CEO」に“昇格”し、進行役を正式に仁鶴さんから譲り受けた。

突然の譲渡だった。それもあって南光は、仁鶴さんが「戻ってくるのをずーっと待ってる状態。スタンバイ状態」だったといい、突然の訃報に信じられないといった様子で話した。

仁鶴さんが亡くなった知らせは、ニュース報道で知ったといい「びっくりです。去年(弟子の)仁智君から『元気にやってますよ』と聞いてたしね」と驚きを隠せない様子だった。

南光は、仁鶴さんと同番組のほかにも、読売テレビ「大阪ほんわかテレビ」でも共演。間寛平らと、オーストラリアへも行った。

仁鶴さんは趣味のゴルフを南光に勧めたことも明かし、南光もレッスンに通った。ゴルフを通じても、仁鶴さんに近づこうとした。だが…。「初めてプレーして、274たたいた」と南光が報告すると、仁鶴さんから「すごいな」とあきれられ、自らはゴルフには向いていないと悟ったとも話していた。