宝塚歌劇の雪組「CITY HUNTER-盗まれたXYZ-」新人公演が31日、兵庫・宝塚大劇場で上演され、期待の大型スター縣千(あがた・せん)が主演し、冴羽■にふんした。

本公演は、雪組トップ彩風咲奈、トップ娘役朝月希和の本拠地お披露目。縣は本公演でも、主要キャスト「海坊主」役。頭にターバン、サングラスにひげ姿で「海坊主」を好演しているだけに「普段はサングラス、ほんとに(客席が)見えないんですよ。でも今日は、まぶしかった! 銀橋でお客様の顔が見えたこと、本当に幸せでした」と満面笑みで振り返った。

縣は15年入団の101期生。18年「凱旋門」で新人公演に初主演し、今回、2度目のセンターに立った。「本公演でもだんだんと、大きな役をいただき、舞台での見せ方など、少しは成長できたかな。自分のことだけではなく、皆との関わりも意識するように心がけました」と、終演後にはほっとした様子ものぞかせた。

今年、新人最終の7年目。周囲の期待も高まるばかりで、自身も「学年も上がって、自分のことだけ考えていられない」と自覚も芽生えている。本役のトップ彩風からは「皆のことを信じて。私も(本公演で海坊主を演じる縣らを)信じてやっているから」と、主演の心構えも説かれ、背を押されたという。

コロナ禍でなかなか新人公演の上演がなかったことから「今日はお客様の拍手、手拍子が本当にうれしくて、くすぐったくて、あったかい時間でした」と感謝した。

端正な顔立ちに172センチ長身と、男役として恵まれた体格を生かした迫力あるダンス、ノーブルな空気感をまとい、宝塚王道の大型スター候補として早くから注目されてきた。

今年5月「ほんものの魔法使」では、主演した先輩スター朝美絢の相棒の“犬”にふんし、演技力、表現力も発揮。来年1月には「Sweet Little Rock’n Roll」で、宝塚バウホール初主演も決まっている。

また、ヒロインの槇村香は3年目、105期生の音彩唯(ねいろ・ゆい)がふんして、初ヒロイン。「本当にどうしようと思って…。元気と勢いだけで駆け抜けてしまった。東京(公演)では、もっと丁寧に演じたい」と話していた。

東京宝塚劇場での新人公演は10月14日に行われる。

※■=狩の守が僚のツクリ