落語家柳家小三治さんが、心不全のため81歳で亡くなった。上方落語の桂文枝(78)は10日、小三治さん死去に「驚いて、しばらく言葉が出てきませんでした」と衝撃の思いを吐露。

変幻自在のまくらから、流れるようにネタへ入り、聞く者を引き込んでいく独特の高座スタイルにも触れ、コメントとして寄せた。

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師匠の訃報に、エッと驚いて、しばらく言葉が出てきませんでした。神戸で開催の東西落語会でご一緒いたしましたが、師匠のまくらは時に歴史の勉強になるような時もありました。

入院(していた)時代に嵐山を散策した話。そして落語へ。まくらも落語も自然に引き込まれ、時にはお弟子さんが舞台袖から「あと3分です!」と、声をかけられる時もありました。

あんなふうに飄逸(ひょういつ)と、自然に落語とまるで戯れているような高座、うらやましい限りでした。

師匠も私も、協会の会長時代、よく電話をさせていただきました。そんな時は、高座で見せる感じではなく、本当に、真剣に話を聞いてくださり、ありがたかったです。

残念でなりません。あの素晴らしい語りを全てたずさえて、一緒に旅立たれたのですから。ただただ、ご冥福をお祈りするばかりです。お世話になりました。ありがとうございました。合掌。