昨年3月に新型コロナウイルスで亡くなったザ・ドリフターズ志村けんさん(享年70)の生き様がドラマ化され、俳優山田裕貴(31)主演でフジテレビ「志村けんとドリフの大爆笑物語」として12月に放送されることが19日、分かった。

山田は「お話をいただいたときは『本当に僕ですか? 僕で大丈夫ですか?』と、信じられませんでした。楽しみよりもプレッシャーの方が大きかったです。実はコントシーンの撮影日が、31歳の誕生日でした。すごくうれしくて、もしかしたらそれは志村けんさんからのプレゼントだったのかなと思います。ドラマの中のセリフで『笑いたがっている人、笑わせましょうよ』とありますが、そういうドラマになればいいなと思っていますし、その日1日は、志村けんさんに変わって皆さんを笑顔にできるとうれしいです」と話している。

フジテレビ編成部の安永英樹氏は、山田の起用理由について「志村さんというコメディアンを演じてもらうので、お芝居だけじゃなくコメディーもできる方、今が旬な方ということで山田さんにお願いしました」と話している。

脚本・演出は映画・ドラマ「今日から俺は!!」などで知られる福田雄一氏(53)。山田の福田作品への出演は19年のウェブドラマ「聖☆おにいさん」以来となる。

福田氏は「この企画のお話をいただいたときはとてもうれしかったです。ただ、次の瞬間、とてつもないプレッシャーにさいなまれました。引き受けさせていただく覚悟をしたのには理由があって『となりのシムラ』でご一緒させていただいたときに、志村さんも会議から参加してくださり、一緒にコント作りをしながら笑いを生み出す志村さんの姿勢や笑いへのこだわりを間近で感じさせていただき、やっぱり大好きで、また一緒に作りたいという思いがあったからです」と話している。

物語は、志村さんがコメディアンになることを決意し、高校卒業間際の1968年(昭43)にバンドの坊や(付き人)としてザ・ドリフターズに携わるところから始まる。74年にメンバーとなって90年代までの、想像を絶するような過酷なスケジュールや、人気の裏に隠された挫折と苦悩、葛藤を描く。69~85年に放送され、73年4月7日に日本のバラエティー史上最高の視聴率50・5%(ビデオリサーチ調べ、東京地区)を記録したTBS「8時だョ!全員集合」や、77年に始まり80年12月23日に40・4%のフジテレビ「ドリフ大爆笑」の数々の爆笑シーンも再現される。

プロデュースの井澤秀治イザワオフィス社長は「志村けんさんは、少年時代、普段笑顔を見せない厳格な父親が、テレビを見て、家族で笑いあった経験をきっかけにコメディアンを志しました。そして、ドリフターズの一員として、日本で一番長く、多くの人々を笑わせ、昨年亡くなった今もなお、世代を超えて家族を笑顔にし続けています。誰よりも家族を愛し、誰よりもテレビの前の家族を笑わせることに情熱をささげてきた志村けんと、師であり戦友であるドリフターズの物語を、ぜひ家族そろって笑顔でご覧ください」と話している。

フジテレビ編成部の安永氏は「日本を代表する不世出のコメディアンはどのようにして生まれたのか?若き日の志村けんさんはドリフと出会い、ドリフに入り、壁にぶつかって、学んで、苦労して、どうやって乗り越えてきたのか?知っているようで知らなかった青き時代の志村けんさんの物語を皆さんに見ていただければと思います。俳優の皆さんが“完全再現”した当時のコントはものすごいエネルギーです。ぜひ体感していただければと思います」

◆山田裕貴(やまだ・ゆうき)1990年(平2)9月18日、愛知県生まれ。11年テレビ朝日系「海賊戦隊ゴーカイジャー」で俳優デビュー。12年テレビ東京「D×TOWN『ボクらが恋愛できない理由』」でドラマ初主演。19年NHK「なつぞら」、21年NHK「ここは今から倫理です。」。18年映画「万引き家族」。19年主演舞台「終わりのない」で文化庁芸術祭賞演劇部門新人賞。178センチ。血液型O。