映画監督でエステサロンなどを経営する実業家でもある、ジャッキー・ウー監督の新作短編映画「残照のかなたに」製作発表会見が24日、都内で行われた。

席上で、監督の婚約者・河野景子(56)の長男で靴職人の花田優一(26)が、同作で俳優デビューすると発表した。花田は「私は仕事柄、普段は靴を作ったり、絵を描いたり、1人でやることが多いもので、チームプレーと言いますか、先輩方に、ご教授いただきながらというのは初めてなので刺激的。また、これも自分の活力になるかなと思います」と笑みを浮かべた。

「残照のかなたに」は、信州上田の病院を舞台に、余命いくばくもない老作家と看護師を描く物語。約20分の作品になる予定で、10月末から長野県上田市でクランクインする。林与一(79)が主人公の老作家を演じる。准看護師役をオーディションで500人から選抜された新人の岩瀬あんな(23)が、看護師長役を土屋貴子(55)が演じる。

新田博邦プロデューサー(66)は、花田のキャスティング理由について「花田優一さんとは、個人的に付き合いがあり、1度、俳優業をやっていただきたいと思った。林さん扮(ふん)する患者を見る役。はまるなと。監督に言う前に芝居、俳優やってみない? と言った。慎重だったんですけど、ある時『分かりました。監督がOKと言えばやらせてもらいます』と」と、花田にオファーした経緯を語った。その上で「監督に花田優一とやりたいと言ったら答えはNO。プロデューサーだから、下心はないわけではないが、俳優をやってもらいたいと芝居を想定して説明し、ジャッキーも真摯(しんし)に聞いてくれ『優一君とやろう。直してください』と本を直した」と、ウー監督を納得させた経緯も説明した。

ウー監督は「優一君に関しては、映画の本が出来るより長い時間をかけた。仕事となってしまうと、難しいとお断りしたが『その上をいきたい』というプロデューサーの言葉で決めた。やって良かったというものを作らなきゃ、勝ちじゃないという気持ちで受けました」と語った。

花田は、今回のことを機に、俳優業を継続して続けていくかと聞かれると「俳優業…どうですかね? まだやってもいないので、分からない。表現の軸は、やっぱり靴にありますので、そこをブラなければ枝葉が分かれていくのはいいかなと思っていますが」と答えた。その上で「今のところ本気とかいうことではなく、お仕事を頂かないと出来ないものですので、評価をいただければと思います」と、自らの今後を現実的に見詰めた。