乃木坂46生田絵梨花(24)が25日、自身の公式ブログを更新し、12月末をもってグループから卒業することを発表した。

長年中心メンバーとして活躍。本格ミュージカルに多数出演し、女優としての道も開拓した。11年8月に加入した1期生は残り5人となる。

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生田は長年、「アイドル」と「女優」のはざまで闘ってきた。14歳で乃木坂46に入り、グループきっての清純派。初主演ミュージカル「虹のプレリュード」(14年)では俳優と身を寄せ合うシーンがあっただけで、ファンの間で賛否両論が巻き起こったほどだ。「ロミオ&ジュリエット」(17年に初出演)ではキスシーンに初挑戦。「モーツァルト!」(18年)でも男性に抱きかかえられたりする演技に臨んだ。

ファン心理も踏まえて複雑な思いを抱えていた部分もあった生田だが、全て結果で示してきた。多忙な中で歌のレッスンを重ねた。グループのコンサート期間中、ミュージカル出演や稽古のために大阪と東京を何度も往復したこともあった。演劇関係者が驚くほど劇場を訪れる若い男性の観客が増えた。「レ・ミゼラブル」など本格ミュージカルに次々と出演を決め、今では相手役の俳優との舞台でのやりとりを心配する声もほとんど聞かなくなった。

長年のミュージカルファンの中にはいまだに「しょせんはアイドル」と色眼鏡で見る観客もいる。生田自身も「周りの方々に比べたら、声量も技術もまだまだ」と謙虚に受け止めている。卒業後も戦いは続くが、ひたむきに時間を重ねた確かな実績が「女優・生田絵梨花」の背中を後押しする。【横山慧】