2009年(平21)に亡くなった落語家の5代目三遊亭圓楽さんの十三回忌法要が28日、東京・足立区の易行院で営まれ、6代目円楽や好楽ら三遊一門が参加した。

5代目圓楽さんは日本テレビ系演芸番組「笑点」(日曜午後5時30分)の4代目となる大喜利司会を務めるなど、幅広い世代に親しまれた。

6代目円楽は「お師匠さんは、弟子にとってもご家族にとっても、『大変な』師匠だったと思います(笑い)。乱暴というか直情というか。とにかく、正直に生きて、自分に逆らうものはつぶしていくという(笑い)…そんな師匠でございました」と圓楽さんの墓前でしみじみ振り返った。

一門に向け「どうかみなさん、芸道精進して、うちの師匠の『1つにまとまってがんばるように』といったご遺言を大事にして、これから、寄席を作ったり、あちらこちらで落語会を開いて、1人1人が自分の勉強をして、稽古をして、『良くなったね』といわれるのが恩返しでございます。1つずつ1つずつ、一席ずつ恩返しをしてください」と呼び掛けた。

取材に応じた6代目円楽、鳳楽(74)好楽(75)円橘(75)楽之介(66)は、法要を終えて「はやいね」と口をそろえた。

故人との思い出を問われ、好楽は「年中、夢で怒られている。死んだうちの母ちゃんの夢はほとんどみなくて。師匠のこと1番思っていたんですね。この辺で目覚めねえかなって思うんだけど、覚めねえんだ、夢が。ずっと続くの夢が」と笑わせた。

円楽も怒られたこと日々を「トラウマに近いもの」と語り「優しい日もあるんですよね。『これは小言じゃないよ』といったのは、小言の始まり。常套句でございました」と思い起こした。

若い頃に、師匠から「おれん家は遠いだろ。だけどな、竹ノ塚駅からあるけば15分なんだ。なんでこういうところに住んでいるか知っているいるかい?」と問われたことがあったという。「『駅からぶつぶつ稽古しながらな、前座話やっていると、ちょうど下げで家の前に付くんだ』って。これは言い訳だったと思います(笑い)。そういう風に理屈をあとからつけるようなお師匠さんで」と懐かしがった。

そして「孤高の人だったけど、友達も少なかったけど、落語家がなめられちゃあいけないという、そういう一途に自分なりの勉強して、自分なりの稽古をして、一時代を作ったお師匠さんだと思っています。我々一門にとっては、円生、円楽という、直系の流れが、三遊の王道を歩いているんだと思って、これからも精進をして、三遊一門としてやっていきたいと思います」と偉業をたたえつつ、今後を見据えた。