手塚治虫や藤子不二雄ら著名な漫画家が多く過ごした伝説のアパート、トキワ荘をモチーフにしたコメディー舞台「トキワ荘のアオハル」の初日公演が3日、東京芸術劇場で行われ、主演のお笑いコンビ、NONSTYLEの石田明らが現在とは異なるもうひとつの夢について語った。

夢を追う若者たちが過ごした場所にちなみ「もし芸人でなかったら」と問われた石田は「もともと芸人になる前もやっていましたし、板前を続けていたと思います。兄もおやじも料理人なので。いつでも店出せます」と回答。

又吉直樹の小説が原作の2018年の舞台「火花-Ghost of the Novelist-」以来、約3年半ぶりに石田とダブル主演を務める俳優の植田圭輔は「もともとはゴミ収集のお兄さんに憧れていて。公務員の勉強もしていました」と意外な過去も明かした。

一方で同じく出演したお笑いコンビ、次長課長の河本準一は「本当に考えたことないくらいそれ(芸人)しかなかったですし。工業高校でしたけど、就職も本当にないって言われたので。ジュノンボーイになるしか…」と植田のデビューのきっかけとなったジュノン・スーパーボーイ・コンテストを引き合いに笑わせた。すると、お笑いコンビ、南海キャンディーズのしずちゃんも「私もこういう見た目なので、やっぱりアイドルかな。一応、モー娘のオーディション受けているので。ゴマキ(後藤真希)とやりあって」と畳みかけ、周囲から総ツッコミを浴びていた。

コロナ禍による緊急事態宣言も明けたため、この日の公演にはほぼ満員の観客が詰めかけた。石田は「みんなと入ってるな~って話しました。(客席数が)半分とかに慣れてしまっていたので、これだけしっかり入っているのはうれしかったですね」と笑顔で振り返った。舞台は4日も同劇場で昼夜2公演が行われる予定となっている。