King&Prince神宮寺勇太(24)が8日、東京・グローブ座で、初日を迎えた初単独主演舞台「『葵上』『弱法師』-『近代能楽集』より-」(28日まで)の公開稽古と取材会を行った。

能の物語を現代の設定に落とし込んだ三島由紀夫の短編戯曲集「近代能楽集」から2作を上演。神宮寺は「葵上」で美貌の青年・若林光を、「弱法師」で戦争で視力を失った20歳の青年・俊徳を演じる。

ストレートプレイ初挑戦の神宮寺は「僕自身のこういう姿を見ていただく機会はなかった。足先から頭の上まで堪能していただければ」と充実の表情。難解と言われる三島作品に挑み、「とても難しい作品だと思ったけれど、読めば読むほど、演じれば演じるほど三島さんの作品にひかれていった。三島さんの世界観を知っていただけたら」と話した。

2作品を演じるほか、「弱法師」では台本3ページ分になる一人語りのシーンも。せりふは膨大で、神宮寺は「覚えられる自信はなかった。夜も眠れなかったです」と本音を明かした。メンバーの岸優太(26)からは「大丈夫、神宮寺ならできる」と励まされたといい、「心強かったです。絶対見に来ると思います」と期待した。

演出の宮田慶子氏は神宮寺を「とにかく吸収が良くて、日々いろんなツッコミを入れてもことごとく返ってくる。底無しのポテンシャル」と評価。共演の中山美穂(51)も「驚くほど素直」と語り、「何に対しても全部『はい』と言って、次の瞬間から切り替える。『何で?』という隙も見せないのが初々しかった。だって、かわいいですもん」と笑顔を見せた。

稽古期間は芝居に集中しており、共演者とまだ深いコミュニケーションは取れていないという。神宮寺は「稽古は長い期間やったけど、余裕はなくて台本と向き合ってきた。だから(コミュニケーションは)本番が始まってからだと思ってました」と心待ちにしていた様子。「何の食べ物が好きなの? という話すらできていない」と話す中山に対し、「僕が好きな食べ物はカレーです」と壇上で伝えて笑いを誘った。

大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ(12月1~5日)でも上演。