俳優菅田将暉(28)と女優小松菜奈(25)が15日、所属事務所やそれぞれのSNSを通じて、結婚したことを発表した。

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共に人気真っ盛りの20代、おまけに多くの映画監督が認める演技巧者同士だ。

菅田は5年前に「ディストラクション・ベイビーズ」で初共演した時から、そんな才能込みでぞっこんだったようだが、小松の方はやや遅れて菅田を意識するようになったと聞く。同じ天才肌でもかなり趣は違う。それが互いを意識する時間差になったのだと思う。

「セトウツミ」(16年)の大森立嗣監督は「菅田君は勘で演技をしているところがあって、素晴らしい演技をするんだけど、同じ芝居は2度とできない」と明かす。一方で「頭が良くていつも理論的に話すけど、いざ本番になると全部壊して予測を超えてくる」とも。「火花」(17年)を監督した板尾創路も「こっちのアドバイスにも対応して、無心の中に冷静さがある」と、その演技を考え抜いた上のひらめきと言う。

モデルから、中島哲也監督の「渇き。」(14年)のメインキャストに抜てきされた小松は、マーティン・スコセッシ監督にも実力を認められ、「沈黙 サイレンス」(16年)にも出演を果たした。天才ぶりは菅田に引けを取らない。共演者はそろって「スイッチの入り方がすごい」と憑依(ひょうい)型と証言する。

が、対照的に理論的な考え方とは無縁で、「バクマン。」(15年)で共演した佐藤健には「お芝居のうまい下手ってなんですか?」とあまりに素朴な質問もしたこともあった。

菅田はそんな小松の良き理解者として仕事上のアドバイスも自然に出来るだろうし、邪気のない小松のひらめきはいい刺激になるのではないか。文字通り公私ともに高め合う関係になりそうだ。タイプは違うが、結婚後に一段と飛躍した柄本佑・安藤サクラ夫妻に似た関係になるのではないかと思う。【相原斎】