ハロー!プロジェクト(ハロプロ)のアイドルグループ、アンジュルム笠原桃奈(18)が15日、東京・日本武道館のコンサート「桃源郷~笠原桃奈 卒業スペシャル~」でグループおよびハロプロを卒業した。
笠原は16年7月にグループに加入。約5年の活動に終止符を打った。
終盤には、14年リリースのシングル「地球は今日も愛を育む」を笠原がソロ歌唱した。自身とグループ、自身とファンとの関係を重ねられる歌詞にひかれて選曲したという。その後、笠原は手紙を用意して、涙は流さず、力強く読み上げた。
グループとしては、昨年12月の船木結さんの卒業コンサート以来約1年ぶりの単独公演。23曲を披露し、約6000人の観客を歌、ダンスで魅了した。チケットは完売だった。
【笠原手紙全文】
5年間という長いようで短かった時間が終わろうとしています。
まずは、これまで私のアンジュルムとしての道を支えてくださった、スタッフの皆さんマネジャーさん、ファンの皆さん、ハロー!プロジェクトのメンバーの皆さん、家族、そして大好きなメンバー、本当にありがとうございました。
ハロー!プロジェクトの事もアンジュルムの事も全然知らないまま、この場所にやって来て、右も左もわからず怒られてばかりだった日々がついこの間の記憶のように、私の心の隣にあります。
何事も楽しいとか、うれしいだけでは語れない事、強さも弱さも持っているから感動を知れる事、大切な事を沢山教えて貰いました。
自分の中で簡単には消化できないような辛い事もあったけれど、今はそんな出来事を経験しなかった自分を想像すると少し怖いです。結局は感謝と尊敬の気持ちばかりがこの場所に残っています。
私がアンジュルムに加入した時、沢山のお姉さん達がいました。いろんな人がいて、だけどみんながみんなといる時は楽しいことにも悲しいことにも素直になっている姿が目の前にあるのが、中学1年生の時から私の日常になりました。
みんなの尊敬できるところも人間らしいとこも、全て含めて、最初から今日という最後の日までいとおしくてたまらないものでした。
今はかわいい妹が増えて、私はすっかり「年上組」だなんてくくりにされるようになったけど、お姉さんたちに「ももな~」ってかわいがられたりからかわれたりしていたあの時の幼い心は、今でも私のアイデンティティーの中にあるのです。
みんなのことが大好きという気持ちが、いつどの時代のアンジュルムにいても強くなっていくこと、だから別れは本当に寂しくて泣いた夜が沢山あったこと、それを本当にみんな分かってくれてるのかなって、時々不安に思う日々もありました。
だけど今こうしてみんなとの別れを選び、前に進もうとしているのは、私自身です。アンジュルムが今の人生に欠かせない自分の全てだからこそ、今私にとっての自立をすることを選びました。
いつの日か、このステージに立っている今が過去になります。
いつの日か、大好きで大切な仲間がいたんだって誰かに話す日がやって来ます。
今、何にも代えられないものは、この先何にであっても代えられないもので、それは過去に、未来の私の中に在り続けるんだと思います。
言葉を交わして、笑い合って、一緒に歩いて、悲しくって慰めて、そういうすべてが今でもきらびやかでまぶしいのに、いつか思い返した時そのまぶしさに、私は耐えられるのかなと思ったりもします。
正直今は寂しくて、本当はとても不安で、夜一人になると、自分1人にどれほどの価値があるのかなって思う瞬間だってあるのです。
だけど、仲間と呼べる仲間と出会っていつ何時も私が思うのは、きっと、出会えるというのは全ての人に平等には訪れないんだろうなということ。このあたたかさを、優しさを知っている私は私を、特別だと思えます。
言葉にせずともお互いに伝わる愛情が、私の世界に在ることを教えてくれた、
あなたをやっぱり愛しています。
離れ離れになっても、どこにいても、この先どう生きようとアンジュルムの事が大好き。アンジュルムを好きな人たちの事が、大好きです。
改めまして、これまでアンジュルムの笠原桃奈に携わってくださった全ての皆さん、心からありがとうございました。
私は明日からも、私らしく、変わらないものと変わりゆくものを抱えて、進んでいきます。ここでもらった愛情を胸に、強く生きていきます。