米タレントで実業家でもあるキム・カーダシアン(41)が、今年8月に武装勢力タリバンが権力を掌握し、混乱が続くアフガニスタンの女子サッカー選手たちの亡命を手助けしたと米ピープル誌が報じた。

同誌によると、カーダシアンが立ち上げた補正下着ブランドSKIMSが、女子ユースチームに所属する選手35人とその家族たちが英国に亡命するための飛行機を手配し、一行は17日にパキスタンを出発して翌朝ロンドンに到着したという。カーダシアンとSKIMSは130人が搭乗したこの飛行機のチャーター代を全額負担したと伝えている。

関係者によると、元主将のハリダ・ポパルさんがチームのために英国滞在ビザを確保することができたものの、出国するための手段とその資金が必要だったという。一行はアフガニスタンから逃れたパキスタンで何週間も足止めを食らっており、30日間の滞在ビザの期間内に受け入れ先が見つからなければ母国に送還されるリスクにさらされていた。危機的状況にあったポパルさんが米ニューヨークを拠点に司法や人道的問題に取り組むNPO団体に助けを求めたことで、同団体とつながりのあったカーダシアンが資金援助する運びとなったと同誌は伝えている。関係者によると、カーダシアンは同団体から連絡を受けてすぐ、飛行機代の援助を約束したという。

ポパルさんは、「タリバンによって制圧された時、多くの選手の家族が家を追われた。彼女たちの家は焼き払われた。何人かの選手の家族は殺されたり、タリバンによって拉致されたりした。とても危険で、ストレスも大きい状態だった。だから、彼女たちをアフガニスタンの外に一刻も早く連れ出すことが非常に重要だった」とコメントしている。

タリバンは女性がサッカーをすることは認めているが、公の場でのプレーを禁じるなど厳しい監視下に置かれており、一部ポルトガルに逃れた選手もいるほか、シニアチームのメンバーは8月にオーストラリアに亡命している。

弁護士を目指して勉強中のカーダシアンは、司法問題の改善や社会問題などに熱心に取り組んでおり、慈善活動にも力を入れていることで知られている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)