女優伊藤かずえ(55)が7日、都内で、30年以上乗り続けている日産の初代「シーマ」のレストア完成お披露目会に出席した。伊藤の誕生日のこの日、念願の“相棒”との再会に「わー!! えー!! やー!!」と驚きの声をあげ、「ちょっとびっくり。あまりにもピカピカで。新車の香りがします」と手と手を合わせ、感涙した。そして「本当に55年、生きてきてよかった。今まで生きてた中で、最大のプレゼントです」と感極まった。

1990年に新車で購入してから26万キロ以上、大切に乗り続けていることが話題を呼び、日産社内でレストア計画が持ち上がり、今年4月から神奈川県内の日産のグループ会社、オーテックジャパンで作業がスタートした。エンジンを下ろし、ドアを外し、ホワイトボディーに近い状態にしてから、全塗装を行った。エアサスペンションの交換から、シート、シートベルトなども新品に。走りについては、40年間シャシー評価をしているテストドライバーが調整を行い、コンディションを良い状態に仕上げた。レストアにかかった総費用は、当時の「シーマ」の新車価格を“優に超えた”という。

8カ月間「シーマ」から離れていた伊藤は「夢に何回もでてきた。シーマと離れるのこんなに寂しかったんだって…」としみじみ。最近免許を取ったという娘にも「乗り継いでほしい」と願望を込めた。

一方で、日産は一般ユーザーからのレストア要望について「課題もあるので、その課題を解決していかないと展開は難しい。全体としては未定」とした。【三須佳夏】

◆日産・初代シーマ 88年に販売開始。当時の最先端のハイテク技術が盛り込まれた高級車で、最上級グレードの価格が約500万円にもかかわらず、バブル景気中に飛ぶように売れた。発売当初年度で4万台近くを売り上げ、社会現象を巻き起こし「シーマ現象」と呼ばれた。1988年のユーキャン新語・流行語大賞にも選ばれるなど、バブル時代の象徴の1つとされる。