三浦春馬さんの最後の主演映画「天外者(てんがらもん)」(田中光敏監督)の公開1周年を記念し、公開日の11日に全国304館映画館で特別上映が行われた。配給のギグリーボックスは13日、興行収入(興収)2503万4640円、動員1万7623人を記録し、累計の興収は9億円を突破したと発表した。

台湾でも現地在住のファンが企画を考え、台北市内のCentury Asia Cinema南港店で日本と同時に特別上映が行われた。上映回数については各興行会社に判断を仰ぎ、複数回上映を行った劇場もあったという。また全国の一部の地域では、公開1周年特別上映を週単位で開催している劇場もある。

「天外者」は、幕末から明治初期にかけて活躍した大阪の実業家・五代友厚を主人公に「実もいらぬ、名もいらぬ、ただ未来へ…」と語ったという五代の志を次代につなげるべく、市民有志によって立ち上げられた「五代友厚プロジェクト」によって13年に企画がスタート。17年に田中監督と脚本家の小松江里子氏がタッグを組み、複雑な時代背景と膨大な関連人物からオリジナルの物語を創作した。

その上で、五代のイメージにかなう「透明感があり強い信念を持ち、美しい」という理由から、三浦さんに主演での出演オファーを出した。共演者にも、坂本龍馬役に三浦翔平(33)、五代の妻豊子役に蓮佛美沙子(30)と、三浦さんと親交の深い俳優陣が、導かれるように集まった。

三浦さんは主演にあたり、五代に関するリサーチを徹底した上で、翔平と台本読みまでして19年10月の撮影に臨んだ。撮影中も演出について逆提案するほど意欲的で、同11月の撮了時には田中監督に「参加させていただき、ありがとうございました」と感謝したという。

三浦さんと「天外者」は、日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞で34回目となる今回、新たに設けた、一般のファンの投票で決定する「ファンが選ぶ最高演技賞」(男女合わせて50人)「ファンが選ぶ最高作品賞」(50候補)において、11月26日の中間発表時点で首位に立っている。結果は、27日の日刊スポーツ朝刊紙面で発表を予定している。