「第34回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」が昨年12月28日に日刊スポーツ紙面とニッカンスポーツ・コムで発表されました。発表当日に掲載しなかった部分も加えて、受賞者インタビューでの言葉をあらためて掲載します。

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19年に新人賞を受賞した清原果耶(19)が初の10代、史上最年少で助演女優賞を受賞した。「護られなかった者たちへ」(瀬々敬久監督)では、震災後の宮城県で生活保護受給者のケースワーカーという難役を演じた。

新人賞を受賞した時は17歳だった。その際は、18歳以降の楽しみについて「22時以降の深夜撮影にも参加できること」と話していた。今作で初の“てっぺん越え”(深夜0時超え)を経験。当時の発言を「あのころは若かったんじゃないですか」と笑い飛ばした。

「年を取らないと経験できないことってあるんだなって思いました(笑い)。あのころは若かったんじゃないですか(笑い)。そういう経験ができることも楽しかったですし、面白かったと思った部分があるのはもちろんなんですけど。やっぱり、なんでしょうね…(笑い)。てっぺんを越えて朝日が見えるまでの時間が切ないというか。『あ、もうこんな時間になってしまったのか。でもまだここの撮影しているのか』とか。なんかいろいろ考えた結果、てっぺんを越えずに撮影終わって、みんなちゃんと寝た方がいいんじゃないかっていう結論に今は至っています(笑い)」

NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」ではヒロインを務めるなど、大忙しの1年となった。充実した表情を浮かべながら「早かった」と振り返った。

「もう本当に早かったの一言に尽きるといいますか。なんかいろんな作品が今年公開されて、その中で朝ドラも撮影していて、もう本当に最近、カレンダーを見る度に『え、もう12月になってしまったのか』っていうくらい一瞬でしたね、この1年。すごく濃密な時間を過ごしてきた1年ではあるんですけど、時間に置いていかれないように、必死に走り続けていた1年だった気がします」

大活躍の1年。自分に「賞」を与えるなら?

「シンプルに『頑張ったで賞』(笑い)。去年からですけど、本当に朝ドラの撮影をずっと1年間していて。さっき言ったような時間に置いて行かれそうになるっていう気持ちじゃないですけど。プライベートの自分だったり、現場での自分を全部まぜこぜで生きてきてしまったので。なんかそれを1回フラットにしたいかもしれないという意味もこめて、シンプルに『頑張ったで賞』をあげたいです(笑い)」

来年1月30日に、二十歳を迎える。1月スタートのTBS系連続ドラマ「ファイトソング」では、民放ドラマ初主演を果たす、今後が楽しみな存在だ。15歳のデビュー時には「人に感動をあたえられる女優になりたい」と話したこともあった。今では女優業に対する純粋な思いがある。

「なんでそんな大きいこと言ってるん(笑い)。そんな大層なことは今は言えないですけど…。なんかもう本当に、お芝居をするのが楽しいという気持ちを忘れないで、女優という仕事を続けられていたら良いなーとだけ、思います」【佐藤勝亮】

◆清原果耶(きよはら・かや)2002年(平14)1月30日、大阪府生まれ。14年オーディションでグランプリ獲得。15年NHK朝ドラ「あさが来た」で女優デビュー。19年映画「デイアンドナイト」などで「日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」新人賞を受賞。21年NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」でヒロインを務める。22年TBS系「ファイトソング」で民放ドラマ初主演。162センチ。

◆「護られなかった者たちへ」 東日本大震災発生から10年目の仙台で、人格者が全身を縛られ餓死する事件が連続で発生。別事件で服役、出所した利根泰久(佐藤健)が捜査線上に浮かび、宮城県警捜査一課の笘篠誠一郎(阿部寛)は、利根の幼なじみ円山幹子(清原)含め捜査を進める。