満島ひかり(36)が6日、東京・新宿ピカデリーで行われた英映画の日本語劇場版「サンダーバード55/GOGO」(スティーブン・ラリビエー監督、7日公開)大新年会で、劇中で演じたペネロープを1966年(昭41)に放送された日本語版で演じた黒柳徹子からのビデオメッセージでバトンを受け、目にうっすら涙を浮かべて感激した。

「サンダーバード55/GOGO」は、65年に英国で放送が開始された特撮人形劇テレビシリーズ「サンダーバード」の放送当時、音声ドラマとして書かれた脚本を元に、本国の熱狂的なファンのクラウドファンディングで2015年(平27)に制作、初映像化された完全新作3話を、樋口真嗣監督が日本公開用に構成しイントロダクション、各話間、カーテンコールを新たに制作し、1本の映画にした。

満島が演じたペネロープは、モデルもこなす貴族の娘の元スパイ。ペネロープの初代の声を担当した黒柳を、NHK総合で16年に放送されたドラマ「トットてれび」で演じた満島が2代目として演じた。そのことを踏まえ「徹子さんの役柄をやって、声をかけていただいたのかなと…」と笑みを浮かべた。

すると、サプライズで黒柳からのビデオメッセージがスクリーンに映し出された。黒柳から「とっても良かったです。私より落ち着いていて」と演技を評価されると、笑みを浮かべた。さらに黒柳から「楽しそうなことが好きな女優さん。前(ドラマで)私のタマネギ頭を真似したところもそっくり。面白がり。あなたが、ずっとやられていくんでしょう? うれしい」と言われると、目に涙を浮かべた。

満島は「あなたが、ずっとやられていくんでしょう? って…新作、あるんですかね。過去の作品も、音を取り直したり…本当に素晴らしい作品」と今後へ強い意欲を見せた。7日にテレビ朝日系で放送される「徹子の部屋」でも黒柳と「サンダーバード」について語り合うといい「2人でご飯食べに行く機会があった。彼女の言葉は、声の中から宇宙が広がる。(ペネロープを)受け継げることに喜びを感じる。実際に、なかなかやれる人物ではない。非常に贅沢」と感激した。

満島は「サンダーバード」という作品自体は、英国と日本で放送された本編ではなく、フジテレビ系で88年から97年に放送された「とんねるずのみなさんのおかげです」のコーナーで、とんねるずと清水アキラがモノマネで演じたコントで初めて見たという。「とんねるずさんと清水アキラさんのモノマネで、気持ち悪い動きを大人がしていました。本当の映像は(『トットてれび』で)徹子さんを演じる時、資料映像で見て面白いなと思って。まさか、オファーが来るとは思わなかった」。

オファーを受けた際は、黒柳の後を継ぐことを意識せざるを得なかったという。「(ペネロープの個性は)お嬢さまらしさ、身勝手さ、人の話の聞かなさ…(黒柳が演じた)モデルがあった。でも監督から『受け継ぎたい気持ちは分かるけど、あなたので…大丈夫』と言われた。監督が、大丈夫と言うならやってみようと」と振り返った。

アフレコでは、ペネロープの執事パーカーを演じた、井上和彦の収録に同席したという。満島は「井上さんの収録にお邪魔して、最初の何分かは一緒に練習させていただいた。1秒でパーカーになる…どういう切り替え? すごいもの、魔法使いの技を見せてもらっている感じで。1日目に一緒にやらせていただいたのは大きかった」と振り返った。一方、井上は「光栄だった。どういう風にやるのかと思ったら当日いらして。すごく研究熱心で…後ろで見ていただいた」と満島をたたえた。

「サンダーバード55/GOGO」の中で「サンダーバード登場」は、国際救助隊の本格始動前に、ジェフ・トレイシーに招待されたペネロープが、トレイシー・アイランドでサンダーバード1~5号を目にする出会いの物語。「雪男の恐怖」は、エベレストで雪男に襲撃され、救助を請う通信をキャッチした国際救助隊から調査を依頼されたペネロープと執事パーカーが、宿敵フッドの罠に危機に陥る物語。「大豪邸、襲撃」は、大邸宅を狙って貴重品を奪っては爆破する連続強盗事件の犯人をおびき寄せる作戦を決行も、犯人に見つかり気を失ったペネロープを、国際救助隊が救う物語。