小栗旬(39)主演の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜午後8時)が、9日からスタートする。制作統括の清水拓哉チーフ・プロデューサー(CP)が取材に応じ、見どころなどを語った。

【相関図、家系図など】NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」特集

鎌倉時代に2代執権として権力を握った北条義時の生涯を描く。脚本は三谷幸喜氏で、04年「新選組!」、16年「真田丸」に続く3作目の“三谷大河”となった。鎌倉時代を選んだのは三谷氏の意向だったといい「近藤勇(新選組!)も真田幸村(真田丸)も、ある種敗者の美学を描いたけれど、今度は歴史の勝者を描きたいという。挑戦されるなと思った」と振り返る。時に人を裏切り、計略を巡らせながら頂点に立った義時を主人公に据えたことについては「勝者だけどそのプロセスで本人が傷ついたであろう、また多くの人を傷つけたであろう、そういう苦い勝者を描きたいという。これもまた三谷さんらしいと思った」と話す。

登場人物の多さや血縁関係の複雑さなど、とっつきにくい印象の「鎌倉もの」だが「豪華キャストが熱演すると、誰が誰だか分からないとは全くならない。素晴らしいアンサンブルになっている」と自信。13人の家臣団のうち、4人の出演者が未発表だが「あっと驚くキャストが控えている。皆さんのご期待に応える『鎌倉殿』らしい新たなキャストを隠している」と予告した。

座長を務める小栗の魅力も語り「泰然自若、堂々としていると同時に細やかな気配りもされる。こういう方に大河の主演をお願いできたのは必然だった」。伊豆の平凡な青年だった義時がある種の冷酷さを身につけ、やがて武士のトップに立つその変化については「けなげな人間が変貌できるところが、北条義時という人間の恐ろしさやすごみだと思う」と魅力を感じているとし、小栗と義時との共通点については「『小栗さんのためなら頑張るよ』とおっしゃるキャストがたくさんいる。器の大きさは北条義時に通じるものがある」と語った。

大型ドラマ枠として現代に放送する意味を問われがちな大河だが、清水CPは「正直そこに関心はない」と率直に語る。「なぜかと言われたら、800年日本人が面白がっている物語だから。源平合戦、頼家・実朝の物語や北条家の物語はいろんな形でフィクションにされてきて、題材として面白くないわけがない。僕が思う大河の良さはクラシック。50年後の人が見ても面白いと思ってほしい」と、純粋なエンターテインメントを目指している。