NHKの大相撲中継でおなじみの同局藤井康生アナウンサー(65)が、20日の放送をもってテレビの相撲中継最後の実況となったことが分かった。この日、初場所12日目の解説を務めた北の富士勝昭氏(79)との掛け合いの中で語った。

放送の途中、北の富士氏の入門当時の思い出話に花を咲かせると、「その時に藤井さんは生まれたんだな」と北の富士氏。藤井アナは「そうなんです。北の富士さんが上野駅に降り立った日の朝、ちょうど同じくらいの時刻におそらく岡山の田舎で生まれたわけですが」と応じた。

続けて「どうして今日が最後なの?」と話題を向けられると、藤井アナは驚いた様子で「あっ、ええ。NHKの大相撲放送としては。本当にお世話になりました」と最後の実況となることを明かした。

北の富士氏は「藤井さんのおかげでずいぶん話を盛ってもらってね。つまらん話を面白くしてくれました」とねぎらい、藤井アナも「いえいえ、面白い話をいただきました」と感謝していた。

藤井アナは79年に入局し、スポーツ、特に相撲を中心に担当。歯に衣(きぬ)着せぬ発言の北の富士氏や、舞の海氏らと絶妙な掛け合いをみせ人気を得た。一方で、微妙な軍配に対して「はっきりと誤審と言っていい」と発言したこともあり、切れ味鋭い実況も持ち味だった。

NHKの公式サイトによると、ラジオ第1では22日の初場所14日目の出演が告知されている。