女優有村架純が29日、都内で、主演映画「前科者」(岸善幸監督)の公開舞台あいさつに出席した。

前日28日から公開を迎え「撮影自体はちょうど1年前くらいに撮影していて、本当に忘れられない2カ月間だったんですけど、ぎゅっと凝縮した濃厚な時間が、スクリーンでも映画を見た時に、ぶわっと感じるものがありました。私的にはいろんな日々を走馬灯のように見返しながら試写を見させていただきました」と明かした。

作品について「あらゆるメッセージ性があって、一概なことは言えないんですけど、皆さんがこれを見てくださってどう感じてくださるかが大事だと思っています」と説明。「共感するとか共感してもらえないとかじゃなくて、それぞれの皆さんの考え方で、きっとこの先皆さんが人と関わる時に新しい世界が広がっていくんだと思います」と語った。

劇中では、森田剛演じる保護観察対象者の工藤誠を担当する保護司の阿川佳代を演じた。「保護司の方にはそれぞれの考えた方があると思うんですけど、佳代が思う保護司とはどういうやり方なんだろうと思いながら挑戦させていただきました」と振り返った。「何かに突き動かされるような衝動的なものがあったりして、泣いたり、笑ったり、叫んだり。見返りを求めることなく、手を差し伸べること、寄り添うことが積極的にできればと思いました」と説明した。

劇中では牛丼などを食べる場面も複数あるという。森田は「監督が食べろて言ったら、いいって言うまで食べるって感じでしたね」と回想し、有村も「何テークか撮りますもんね」もうなずいた。岸監督が「皆さんにたっぷり食べてもらったんですけど、有村さんは最後、ムッとしていたような気がします」と明かすと、有村は「いやいや、とんでもないです」と笑顔で否定していた。

有村が森田にビンタし、言葉を伝えるシーンもある。「台本を見て、とにかく森田さんにビンタをするっていう任務があると思って。気持ちを込めてやらないと、ただ痛いだけになっちゃうので、とにかく本気でやろうと思ってその日を迎えました」と振り返った。森田から「ものすごいものを持っていましたね。重~いやつ(ビンタ)でしたね」と“腕っ節”を絶賛されると、有村はニッコリ笑った。森田は「台本読んだ時、このシーンやりたいなって思って。ここで有村さんに言われた言葉っていうのが、工藤にとって全てというか、救われる瞬間だったり。大事なシーンでした」と解説した。