2022年東映ラインナップ発表会が3日、都内で行われた。手塚治社長(61)は、冒頭で「(ラインアップ発表で)会場を借りるのは8年ぶり。なぜか? 今年は自信があるからです。粒よりです。大粒です。食べきれないくらい…豊穣(ほうじょう)の年。今年は創業以来、最高の興行成績を上げたいと営業部長には言っています」と自信を口にした。

その上で「ここには間に合いませんでしたが、ものすごい大作が、今年のラインアップには入っている。22年を越えてしまうんではないか…23年、準備中。24年以降に向けたビッグプロジェクトも進めています」と語った。

発表会後の囲み取材で、手塚社長は今後について聞かれると「シリーズを増やしていく。たくさんあるよ、としたい。中長期的に、シネコンやいろいろな見られ方に対応する、多様性の作品群があることが大事」と具体的に言及。その上で東映東京撮影所、京都撮影所を有していることを踏まえ「自前のものを増やしていきたい。そこに(東映の)色が付いてくる可能性がある」とも語った。

また、コロナ禍後、一般に普及した配信との関係性については「(映画は)テレビと併存し、東映はビデオ会社も早く作った。映画って、いろいろな他の映像メディアが登場する度にショックを受けるが、共存している」と、1970年(昭45)に東映ビデオを設立したことに言及。その上で「配信も、映画産業の大きな転換点になるだろうと思いますが、まずは作り手として、配信会社に負けない良いものを作るのが第一」と強調した。

また4日公開の映画「大怪獣のあとしまつ」(三木聡監督)で創立以来、初めてライバル社の松竹とタッグを組んだ件について、今後も同業他社とのタッグで業界の地殻変動を起こしたいか? との質問も出た。手塚社長は、興行収入102億8000万円を記録し、21年度のアニメ、邦画を含めて1位となった「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(庵野秀明総監督)が東宝とタッグを組んだことを踏まえ「何かに対抗するとかいうことではない。組んで面白いなら組みます。自分たちの作る力を高めることは必要」と答えた。