女優南果歩(58)が5日、都内で、書き下ろしエッセー「乙女オバさん」(小学館)の発売を記念したトーク&ライブを行った。

「人生に失敗はつきもの。後からしか答え合わせはできないので、失敗を恐れず前に進む姿をお届けしたい」との思いをつづったという。「私の失敗が書かれています。どの年代の方にも読んでいただけると思います。乙女心を持ち続けましょう」と笑顔で語り、自らボーカルを務める、バンド「Nicochans」での演奏も披露した。

南は昨年末で、大手事務所との業務提携を解消した。昨春から、オーディションを経て獲得した、米アップルTVの配信ドラマ「パチンコ」(3月25日から配信)の仕事が大きかったという。単身でカナダのバンクーバーに飛び、撮影に臨んだ。「日本人の役でしたが、スタッフとのやりとりは英語。海外の仕事が増えると、国内の仕事の調整も難しくなるので、それなら自分でやろうと決めました」。現在は、日本とアメリカにマネジャーがいるという。

同書には撮り下ろしの写真も掲載され、初水着にも挑戦した。「若いころは水着を一切やらなかった。年を取ると初めての出来事が減ってくるので、やってみようかなと思いました」。書き下ろしエッセーのきっかけの1つに、交流があった作家瀬戸内寂聴さんから「あなたは書く人間だから」と勧められたことがあったという。「先生からは、本の帯を書いてあげるわよと言われていたんですが…。出版には間に合わなかったのですが、背中を押してもらいました」。

エッセーにはさまざまな失敗がつづられているが、元夫の作家辻仁成氏、元パートナーの俳優渡辺謙についても触れている。「(結婚は)すごくいい経験。一生懸命、ともに生きて来ました。たまたま失敗したけど、結婚は悪いものではない。相談されたら、してみるべきだと勧めます」。乳がんの闘病も書いており「私も人間ドックで見つかりました。今は、受診も難しい時期ではあるのでしょうが、ぜひとも検査は受けていただきたい」と話した。