水谷豊(69)が、映画監督作第3弾「太陽とボレロ」で指揮者を演じる。製作と配給の東映が28日、発表した。

指揮者役は、00年の舞台「陽のあたる教室」で演じたホランド先生役以来、22年ぶりで「指揮者の役は今まで舞台で1度だけ演じたことがあり、今回は映像なので、どこまで出来るだろうとトライしました」とコメントした。また公開日が6月3日に決まった。

水谷監督は、主演の檀れい(50)が演じる花村理子の音大時代の恩師で、理子が地元で主宰し、存続に奔走する弥生交響楽団の指揮者・藤堂謙を演じる。トラブルに見舞われながらも楽団を優しく見守り、物語の鍵を握る役どころで「役者が演じる指揮者としてではなく指揮者としてどこまで出来るか挑戦をした」と語っている。

また、オーケストラの演奏シーンについては「ごまかさずに撮りたかったので、吹き替えは一切考えていませんでした。撮影が1年延期になった間も、楽団員役の皆さんが、練習に励んでくれたおかげで、素晴らしいコンサートシーンが生まれました」と自信を口にした。

水谷監督は「太陽とボレロ」で、脚本制作の段階から、本物のオーケストラの魅力を映画に取り込みたいと構想していた。その中で、世界的な指揮者として知られる西本智実氏のコンサートを訪れ、クラシックの世界について話を交わすうちに、水谷が作中で奏でられる「ボレロ」の指揮演奏をオファー。作品のテーマと水谷の思いに共鳴した西本氏は快諾し、自身初となる映画音楽監督を引き受け、イルミナートフィルハーモニーオーケストラが演奏に参加する。