ドキュメンタリーを制作するためロシアによる侵攻が始まったウクライナに滞在している米俳優ショーン・ペン(61)が1日、ロシア軍が侵攻を進める首都キエフを脱出し、徒歩で隣国ポーランドの国境に向かっていることが分かった。

ペンは先月24日にキエフで行われた同国のゼレンスキー大統領の記者会見に出席し、最前列に座る姿が目撃されていた。

2月28日に撮影された衛星写真でキエフの北に軍事車両が集結し、64キロにわたる車列ができていることが確認されたことを受け、キエフを脱出したものとみられている。

ペンは避難する人々の車が道路にあふれる中で、バックパックを背負い、スーツケースを引く自身の姿をツイッターに投稿。道路脇に車を放棄して同僚2人と国境まで長距離を歩いて移動しているとツイートした。

車で避難しているのはほとんどが女性と子どもだけで、荷物を持ち出すこともできず、ここにいる多くの人にとって車だけが財産だとつづっている。ペンはロシア軍のウクライナ侵略を伝えるため、緊迫する現地に赴いたと伝えられている。

ペンは先月、「すでに多くの命が奪われ、人々は悲しみに打ちひしがれており、これは残酷な過ちだ。プーチン大統領が譲歩しなければ、人類にとって最も恐ろしい過ちを犯したことになる」と、ウクライナ侵略を決めたロシアのプーチン大統領を非難。ウクライナ支持を訴えた上で「単独で戦うことを許せば、アメリカとしての魂が失われる」との声明を発表していた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)