創業110周年の吉本興業は4月2、3日に明石家さんま、ダウンタウン、桂文枝、西川きよしらオールスターが出演する「伝説の一日」を、本拠地の大阪・なんばグランド花月で行う。両日4公演を予定していたが、観劇チケットは完売。オンラインチケットの販売を始め、東京・ルミネtheよしもと、京都・よしもと祗園花月など各劇場ではライブビューイングも決まった。広がる“伝説”にちなみ、未来のレジェンドを目指す若手5組に「俺の伝説」を聞いた。5日連続で1組ずつ紹介する。

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吉本興業創業110周年特別公演「伝説の一日」は4月2、3日に大阪・なんばグランド花月(NGK)で開催。全国各地でライブビューイングが行われ、大阪会場(クールジャパンパーク大阪TTホール)の3日午後6時20分開演分は、マルセイユが司会進行を務める。

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2012年4月8日、なんばグランド花月。吉本興業創業100周年特別公演として「さんまの駐在さん」が上演された。かつてABCテレビ(関西ローカル)で放送され、明石家さんま主演のコメディー番組(85年4月~86年10月)が歴史的な復活を遂げた日だった。

別府貴之(38)は、この舞台をNGKの客席で見ていた。「たまたまチケットが取れた友人から誘われて行きました。さんまさんがセリフを言うたびに、笑いがドッカンドッカン上がりました。もう鳥肌ものでした」。

別府は宮崎県の出身。地域的にも、世代的にも、テレビで「さんまの駐在さん」を見たことはなかったが、圧倒的なさんまパワーは今も忘れられない。

相方の津田康平(34)にとっても、さんまは伝説そのもの。「さんまのまんま」「恋のから騒ぎ」などを熱心に見ていた。「ず~っと番組に出続けておられたテレビ界の大スターです。あのさんまさんが今回の『伝説の一日』で再び『駐在さん』をやられるんですから、本当に楽しみです」とわくわく気分。

また、別府は13歳の時、自ら伝説をつくったこともある。地元・宮崎県国富町で行われた地元のお祭り。ゲストとして東京からお笑いコンビ、海砂利水魚(のち『くりぃむしちゅー』に改名)がやってきた。

ステージ上の上田晋也と有田哲平が観客に向かって「どなたか舞台に上がって、僕らといっしょに漫才しませんか?」と呼びかけた。そして、たまたま別府が指名された。

ビギナーズラックか、怖いもの知らずか、別府と上田、有田で演じた即席漫才が受けに受けた。「舞台で注目を浴びる快感を知りました。同級生と会うたびに『あれは伝説やった』と笑いながら言われます。上田さん、有田さんにいただいたサイン色紙は今も大事にしています」。

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◆マルセイユ 別府貴之(べっぷ・たかゆき)は1983年(昭58)9月23日、宮崎県生まれ。津田康平(つだ・こうへい)は89年3月21日、大阪府生まれ。13年結成。16年上方漫才協会大賞・文芸部門賞受賞ならびにトータルコーディネイト賞受賞。

 

◆吉本興業創業110周年特別公演 伝説の一日(4月2、3日=大阪・なんばグランド花月) 両日ともに4公演ずつ、計8公演。所属6000人の吉本興業からさんま、ダウンタウン、文枝、きよしらオールスターが総出演する。両日とも3回目までは寄席興行で、ダウンタウンも生でNGKの舞台に立つ。ともに、夜の4回目は「さんまの駐在さん」上演が決まっている。

座席チケットは完売しているが、オンラインチケットは販売中。各劇場でライブビューイングも予定しており、その実施劇場は以下の通り。

▼ルミネtheよしもと▼ヨシモト∞ホール▼神保町よしもと漫才劇場▼よしもと有楽町シアター▼大宮ラクーンよしもと劇場▼よしもと幕張イオンモール劇場▼沼津ラクーンよしもと劇場▼クール・ジャパン・パーク大阪TTホール▼よしもと祇園花月▼よしもと福岡大和証券/CONNECT劇場▼よしもと沖縄花月