吉本興業が創業110周年記念特別公演として、4月2、3日に大阪・なんばグランド花月(NGK)で上演した「伝説の一日」。出演芸人総数は262組377人だった。劇場チケットは完売しており、オンラインでも配信。オンラインチケットは3日時点で5万枚以上となっている。

公演は2日間計26時間以上に及び、寄席興行が3回ずつ6公演、うち吉本新喜劇は5回上演された。2日連続で明石家さんまによる「さんまの駐在さん」が上演され、岡村隆史が第1子誕生を発表したことでも注目を集めた。

千秋楽3日の3回目公演では、ダウンタウンが31年ぶりにNGKで漫才を披露。ダウンタウンはかつて、漫才師の聖地NGKとは別路線にあり、新世代の拠点として大阪で若手お笑いブームを起こした「心斎橋筋2丁目劇場」の旗手で、2丁目を足がかりに全国へとはばたいた。

師匠のもとで芸を磨く伝統スタイルと、師匠を持たずNSC(吉本総合芸能学院)で芸を学ぶ形-。2つの道が定着した背景には、かつての「2丁目」ブームの影響も大きい。その象徴コンビが、110周年にNGKで漫才に臨んだことも注目を集め、ファンにも、本人にとっても貴重な機会だった。

総勢6000人ともいわれる所属数を抱える吉本からの2日間のオールスター興行。初日は今くるよが、2日目千秋楽は多発性骨髄腫と闘う宮川花子が、ともに約3年ぶりに舞台出演し、元気な姿を見せていた。