米俳優アンセル・エルゴート(28)が6日、都内で行われた、WOWOWと米ハリウッド大手HBO Maxの共同制作ドラマ「TOKYO VICE」記者会見で、日本語で自己紹介、作品紹介まで行い、集まった日本の取材陣を驚かせた。

エルゴートは、アカデミー賞にもノミネートされた、スティーブン・スピルバーグ監督の「ウエストサイドストーリー」にも主演した米期待の若手俳優だ。「TOKYO VICE」では、上智大に編入後、日本の大手新聞社に日本語の筆記試験などを受けて初めて外国人として入社し、社会部に配属されてサツ回りをする新人記者ジェイクを演じた。劇中でも日本語のせりふを口にして、漢字まで書く熱演ぶりだった。

エルゴートは、冒頭から「おはようございます」と日本語であいさつした。その上で、ともに登壇した渡辺謙(62)伊藤英明(46)菊地凛子(41)笠松将(29)山下智久(36)を横に「90年代の東京を舞台に闇の世界を描きます。渡辺謙さんは刑事、伊藤英明さんも刑事。菊地凛子さんは上司、格好良いヤクザは笠松さん…日本の俳優が、たくさん出演しています。山下智久さんも出演しています」と、流ちょうな日本語で語った。

司会の青木源太アナウンサーから、日本人俳優との共演について聞かれると、エルゴートは「とっても良かった。渡辺謙さんは、レジェンド。最初に見たのは『インセプション』(10年)。表情と声の素晴らしさに感動しました。『硫黄島からの手紙』(06年)も感動した。『明日の記憶』(同年)も…謙さんの演技は、どの作品も素晴らしい。一緒に仕事できて光栄」と、全て日本語で渡辺の演技と作品を絶賛した。

さらに、伊藤英明との深い親交を、こちらも全て日本語で、とうとうと語った。「伊藤英明さんと、とってもウマが合いました。新年に、ふるさとに招いていただきました。文字どおり、裸の付き合いをしました。毎日、温泉に入り、お母さんの手料理をごちそうになりました。みんなで初詣に行きました。たくさん、良い思い出が出来ました」と笑みを浮かべた。

さらに「謙さんの演技は緻密ですが、僕は凛子さんが好きです」と、菊地の演技も絶賛。渡辺が「俺のことは、もういいよ」と笑うと、菊地は「すみません」と苦笑した。

エルゴートは、途中から英語も交えつつ「毎日4時間…時々、6時間。日本に住んで毎日、日本人と話した。最近もインタビューのために練習しました」などと、日本語学習について語った。あまりに流ちょうな日本語で、堂々とあいさつする姿に、伊藤は「自分が恥ずかしくなった」と笑った。

「TOKYO VICE」はオール東京ロケで撮影、制作され、7日午後6時に日米同時配信される。