女優上白石萌音(24)が9日、都内で、映画「コーダ あいのうた」(シアン・ヘダー監督)アカデミー賞受賞記念舞台あいさつに登壇した。

耳が聞こえない家族の「通訳係」として生きる少女が、歌の才能に目覚めていくさまを描く。先月27日に開催された第94回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞、脚色賞の3冠に輝いた本作。テレビCMのナレーションを務める上白石が、”応援隊長”として祝福に駆けつけた。

上白石は「この映画に出会えてよかったと心の底から思っています。心揺さぶられたし、これから先何回も見返すと思うし、歌がもっと好きになったし、手話を始めたいと思うきっかけになった。たくさんのことをくれた映画です」と語った。冒頭では、手話でのあいさつも披露。表情や体全体を使う手話表現について「こんなにエネルギーのある言語なんだと思いました。奥深いです。これから勉強したいと思います」と笑みを浮かべた。

試写では「マスク1枚ダメにするくらい泣いた」とも明かした。同作で助演男優賞を受賞した俳優トロイ・コッツアーと、主演エミリア・ジョーンズの親子のシーンは特に印象的といい「思い出すだけでグッとくるものがあります。絶対(賞を)取って欲しかったんです。オスカーを取られて、ニュースみてうれしくて泣いちゃいました」と振り返った。妹の上白石萌歌(22)にも鑑賞を勧め「絶対に見なさい、と言いました。『最高だった』と言って、1時間くらい、全てのシーンについて話しました」と笑った。

自身も歌手として活動する。8日に最終回を迎え、ヒロインの1人を演じたNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」では歌を口ずさむシーンも披露した。自宅では大きな声で歌うこともあるといい「めちゃくちゃ歌ってますが、お隣さんからはまだ何も言われてません」と照れ笑い。歌うことについては「一番好きで、一番怖いもの」といい、「好きだからこそ怖い。家で1人で歌う分にはいいけれど、お仕事になると好きだからこそいい歌を歌いたいと思うし、好きだからこそ歌に失礼のないようにと思う。歌うのが怖くなっておじけづいた時、勇気をくれるのも歌。歌がなければ生きていけないくらい、大切なものです」としみじみと語った。