明石家さんま(66)が16日、宮城県石巻市で行われたプロデュースアニメ映画「漁港の肉子ちゃん」(渡辺歩監督)の上映会&トークイベントに出席し、約11年ぶりに訪れたという石巻への思いを語った。

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上映後に満員の客席からの大きな拍手に迎えられながら登壇。石巻市を訪れるのは11年前のフジテレビの「27時間テレビ」でイベントを行って以来だと明かした。当時は東日本大震災が起きて間もない頃で、同市も大きな被害を受けていた。さんまは「車から景色を見ていましたが、10年たってかなり復興していました。11年ぶりで、その時はもう目を覆うような光景でした。今はあの時、何もなかったところに家やビルが建っていたりするので。人の力ってすごいなと、感動しながらここに来させていただきました」と語り「まだまだ完全な復興ではないでしょうけど、自分が11年、何も進歩していないなということを反省しました」と笑いも誘った。

11年前も車で現地入りしていたといい「高速からきて、山を越えて街を見た時に、何もなくて我々はテレビ局の人間とすごいショックを受けて」と振り返った。「山のこっち側は普通に暮らしていて、結構大丈夫なんだと思って丘を越えたら何もなかった映像はいまだに覚えています。今は家やビル、お店もできていて、今日は驚きました。それと、ドライバーの人が少しスピード出し過ぎで」とまたもオチをつけて笑わせた。

2度開催した上映会はどちらとも1200席が完売し、報道陣も地元メディア含め、10社以上が集結。さんまは「こんなに人がいるとは石巻をなめていました。記者も2、3人だと思っていたので」と語った。映画では石巻のほか、北部にある女川町の焼き肉店などもモデルとなった。女川町は魚のさんまの水揚げでも有名な地。このことについて問われると「今年はかなり値段が高いので控えめにしておりますけど」と切り出し、「こっちのギャラは全然上がってない。会社に言うたら『君のギャラは天井や』って言ってました」と最後まで笑いを誘っていた。

同作は漁港の船に住む訳あり母娘・肉子ちゃんとキクコが紡ぐ感動のハートフルコメディー。昨年6月に公開され、声優として、主人公の肉子役を大竹しのぶ、キクコ役を木村拓哉、工藤静香夫妻の長女でモデルのCocomiが務めたことでも話題となった。原作者の直木賞作家、西加奈子氏が石巻市を訪れたことで生まれ、同作に感銘を受けたさんまのオファーで映画化。上映会には渡辺監督と共に駆けつけ、同市のマルホンまきあーとテラス大ホールで開催した。