1966年のフジテレビ系連続ドラマ「若者たち」やシェークスピア舞台などで活躍した俳優の山本圭(やまもと・けい)さんが3月31日午前9時20分、肺炎のため81歳で死去した。4月25日、所属事務所が発表した。葬儀・告別式は近親者で執り行われた。喪主は長女慧美(えみ)さん。

大阪府出身。59年に俳優座養成所に入所し、62年に叔父で映画監督の山本薩夫氏の「乳房を抱く娘たち」でデビュー。両親を亡くした5人きょうだいの青春ドラマ「若者たち」では田中邦衛さんが主人公の長男・佐藤太郎、山本さんが三男・三郎役で注目された。シェークスピア作品では女性役を演じる幅広さも見せた。

NHK大河ドラマは「八代将軍吉宗」(95年)「天地人」(09年)「八重の桜」(13年)など。93年のフジテレビ系ドラマ「ひとつ屋根の下」では江口洋介らが演じた柏木きょうだいを支える「ゆきおじさん」を演じた。ほか岡田准一の主演映画「SP」シリーズや、倉本聰氏脚本の17年テレビ朝日系ドラマ「やすらぎの郷」など、話題作やサスペンスドラマなどを多数、名脇役として支えた。

妻で囲碁女流棋士の小川誠子(ともこ)六段は19年に68歳で死去。兄の山本學、弟の山本亘も俳優。

◆山本さんと共演歴があり妻小川誠子さんと親交が深かった吉永小百合(77)  圭さんが亡くなった日、お嬢さんからお電話をいただきました。誠子さんが病死なさってから、圭さんはどんなに辛かったか。今、きっとお二人は天国でご新婚の頃に戻っていることでしょう! 圭さんと「戦争と人間」で共演したことは、深く私の胸の中に残っています。