NHK前田晃伸会長の定例会見が12日、東京・渋谷の同局で行われた。

発売中の月刊誌「文藝春秋」に掲載された同局有志による文書の中で、大みそかの「紅白歌合戦」の打ち切りが検討されている伝えられたことについて、「全くの虚偽であります」と報道を否定した。

前田会長は紅白の今後について「続くかどうかはこれから先の話」とした上で、「終わらせると言ったことはございません。ですから全くの虚偽報道です」と説明。「私が『紅白をやめる』とか『打ち切る』と言ったことは一度もありませんし、指示したこともございません」と述べた。

局内から告発のような形で記事が出たことについては「改革をやっていますので、ご不満もあると思う」と理解しつつ、「ただ、有志という名前のない形の匿名記事。真実の調べようがないし、かなりの間違いです。」。職員への説明については「全く考えていません。改革の都度、丁寧に全職員と対話することを重ねてきている」とした。

「文藝春秋」の取材に対応し、「1つ1つに丁寧にお答えしましたが、ほとんど事実無根。それをそのまま記事にしたということで、誠に遺憾です」。法的措置の検討については「それは申し上げられませんが、今言えることは極めて遺憾だということです」と繰り返した。

10日発売の月刊誌「文藝春秋」に、同局職員有志による「前田会長よ、NHKを壊すな」と題した文書が掲載された。前田会長が推し進める改革の影響を訴える内容で、同会長が「紅白歌合戦」を打ち切る方向で検討していることなどが記されていた。