タレント東貴博(52)の母で、88年になくなったコメディアン東八郎さんの妻の飛田裕子(ひだ・ひろこ)さんが12日午前7時35分、都内で亡くなった。82歳だった。15日に通夜、16日に告別式で東が喪主を務めるが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため近親者のみで執り行う。

この日、日刊スポーツの取材に応じた東は、父八郎さんが52歳で亡くなった後、5人の子供を立派に育て上げた裕子さんの人生を振り返った。

前日11日に裕子さんを見舞って「また来るね、頑張って」と声をかけたという東は「ずっと体調が悪かったので覚悟はしていました。妹2人が最期をしっかりみとってくれました」と話した。

父の八郎さんが亡くなったとき、8歳上の長男は仕事についていたが、次男の東は18歳で浪人中、三男のタレント東朋宏(46)は中学1年だった。2人の妹と合わせて、4人の未成年の子供を抱え、裕子さんは八郎さんに代わる“座長”として奮闘した。東は「強い母親でした。常にポジティブで自分が病気がちでも、みんなのことを気にかけてくれていた。父が生きていた時から、どうしたら東八郎がいい舞台を見せることが出来るかを考えていたからだと思う」。

明るく、強い裕子さんだったが、八郎さんが亡くなった1週間後には入院した。「重症筋無力症という大変な病気でした。それが治っても、次から次へと違う病気になりましたが、兄も含めて僕たち兄弟5人を支えてくれました。今、僕たちが元気にやっていけてるのも母のおかげです」と感謝の言葉を口にした。

東が「浅草の貴公子」キャラで2世タレントとしてブレークしたのも、母を喜ばせたい一心だった。「ある時、テレビに出ておやじの話をしたら、おやじの顔写真がワイプで映ったんです。そうしたら、おふくろが喜んでくれて『あなたが頑張ってくれたおかげで、東八郎はみんなの心に残ってくれている』と。なるほどと思って、こうすればおふくろが喜んでくれるんだと、わざと“2世話”をするようにして、親孝行ができた」と笑った。

そして「立派な人生でした。ありがとうございます。これからも頑張っていきます」と話した。