演歌歌手福田こうへい(45)が17日、都内で、青森県大間町の野崎尚文町長(66)から、町の観光大使を委嘱された。

もともと渓流釣りや海釣りなどが好きだった福田は、大間のマグロ釣り漁師の大ファン。テレビ番組などで、特集を組むと欠かさずに見ていた。

19年5月に青森県でコンサートを開催した際、たまたま“大間町でNO・1のマグロ漁師”と呼ばれる熊谷義宣さんが客席にいるのを福田が見つけて交流がスタートした。

熊谷さんは作詞が趣味で、船上で書きためていた詞があり、それを昨年2月に福田に送付。「1週間もたたないでできた」(福田)という曲が今年1月1日に発売した「一番マグロの謳(うた)」だった。

オリコン週間ランキングの演歌歌謡曲部門で初登場1位を獲得し、これまでに5万枚のCDを売り上げるヒットになっている。

「『マグロに選んでもらう』という言葉をよく漁師さんは言う。それほど、漁師さんにとってはマグロが捕れるという保証はない。そこに魅せられた。私もお客さまに選んでいただいて歌手でいられる」と共感を明かした。最も好きな歌詞は「鬼となり」。「釣れば天国 釣らぬは地獄」と言われるマグロ漁にかける生きざまが好きだと話した。

福田はこれまでに大間町のマグロ漁船に2回乗った。20年の1回目は1匹も釣れず、昨年はしけで出航できなかった。野崎町長は「自分も漁師の生まれだから分かる。漁師というのは、普通は邪魔になるから漁師以外は乗せない。福田さんは、それだけ漁師たちの信頼をすごく得ている」と感銘。今回の観光大使も「漁師から声が上がってお願いをしたんです」と説明した。

最後に福田は、新曲への思いについて「この歌を多くの人に届けたい。青森のじょっぱり(津軽弁で「頑固者」の意)に負けないように、私もじょっぱっていきたい」と気合を入れた。