日本テレビは23日、都内の同局で定例社長会見を開催した。

12日発表の人事で日本テレビホールディングス(HD)と日本テレビ放送網の会長に就任することが発表された杉山美邦社長は「この1年はやはりコロナの感染拡大から、グループとしてどう立ち直っていくのか。これが問われた1年でした」と振り返り「グループをあげてこの難題に取り組み、コロナ禍を乗り越える事業展開を打ち出した。グループの総力で連結決算を増収増益で達成し、純利益も過去最高を更新した。グループ全体の底力を発揮できたと思っています」とあいさつした。

業績向上の要因には広告収入の改善、グループ全体の収支構造の抜本的見直し、グループ会社の収支改善が大きく進んだことの3点を挙げた。現在映画事業では公開中のアニメ映画「劇場版名探偵コナン ハロウィンの花嫁」が興行収入79・9億円の大ヒットに。シリーズ歴代最高の93・7億円にも迫る勢いで、6月にも製作幹事となっている映画「メタモルフォーゼの縁側」(狩山俊輔監督)、アニメ映画「それいけ!アンパンマン ドロリンとバケ~るカーニバル」(6月24日公開、東京テアトル配給)など3作品の公開も控えている。

日テレはコンテンツ戦略本部を新設するなど、地上波放送にとどまらない事業展開に力を入れており、杉山社長は「コンテンツの価値最大化を打ち出し、重点目標のひとつとしております。メディアを横断的に、視聴者のみなさんが見たいと思うコンテンツを最適な形で示そうと、お届けしようということであります」と力を込めた。

なお、日本テレビHDと日本テレビ放送網の新社長には、上席執行役員で日本テレビ放送網専務の石澤顕氏が昇格する見込み。6月下旬の株主総会と取締役会で正式決定する。