歌舞伎俳優尾上右近(30)が描いた和傘のオークションが2本で100万円を超え、このほど、岐阜和傘協会「後継職人育成プロジェクト」への寄付金贈呈式が行われた。

和傘は歌舞伎にとって欠かせない小道具。5月に歌舞伎座で右近が出演した「弁天娘女男白浪」に和傘が印象的に登場することで、藤浪小道具がオークションを企画した。

赤と黒を施し「爆」の文字を書いたものは76万1000円、桜と「志」の文字を書いたものが25万1000円で落札された。合計額と藤浪小道具からの寄付金を合わせ、150万円の目録が岐阜和傘協会へ贈呈された。

同協会から感謝状を受け取った右近は「これまでも小道具の1つ1つに思いをはせる瞬間はありましたが、どれだけの人たちが関わっているのかはイメージでしかありませんでした。今回参加させていただいたことでそのことを認識できてうれしかったです」と話した。また、職人を目指す人たちへ向け「需要が少ない=ライバルが少ないのだから、やれば仕事になる、チャンスだぜ、ブルーオーシャンだ!」と明るくメッセージを送った。

27日千秋楽の「六月大歌舞伎」に続き、「七月大歌舞伎」(同4日初日、東京・歌舞伎座)では、第1部「當世流小栗判官」、第3部「風の谷のナウシカ 上の巻 -白き魔女の戦記-」に出演と、活躍が続いている。