女優中田青渚(22)が、NHKBSプレミアムで放送されるBS時代劇「善人長屋」(金曜午後8時、8日スタート)で、連続ドラマ初主演を務める。このほど、日刊スポーツのインタビューに応じた。

原作は、直木賞作家・西條奈加氏の同名小説。中田は、持ち前の勘の鋭さで事件の核心を突いていくヒロインお縫(ぬい)を演じる。溝端淳平(33)高島礼子(57)吉田鋼太郎(63)など、豪華共演者の中で連ドラ初主演となる。

「うれしいより、びっくりした気持ちの方が大きかったですね。『え、私?』っていう気持ちでした。不安ももちろんありました。共演者さんを見させていただいて、『えっ!』って(笑い)。先輩ばかりで、大丈夫かなっていう気持ちはありました」

ドラマは表は善人、裏は悪人、2つの稼業を持つ“善人長屋”のメンバーたちが、ある時は困った庶民を助けるため、ある時は仲間のピンチを救うため、裏稼業のすご腕を生かしながら、さらなる巨悪や人の悪意に対抗していく。

「最初に台本を読んだ時『これが、時代劇なんだ』という印象でした。私の中の時代劇って、もの静かで、武士が戦ったり、かっこいいイメージだったので。台本を読むと、わりとドタバタしていて、みんながわちゃわちゃしていて(笑い)。『あ、こういう時代劇ってあるんだ』って思いました」

撮影はすでに終了している。撮影開始前は不安もあったというが、あっという間に撮了したという。

「なんか本当に一瞬だったなって思っています。始まる前は『大丈夫かな、大丈夫かな』って思っていたんですけど、入ってしまったら本当に毎日毎日必死だったので、一瞬で終わってしまいました。今まで出演してきたものより、大きい芝居というか、ちょっとコメディーチックに見せたりする作品だったので、今までにない新たな挑戦、チャレンジで。すべてが新鮮でした」

撮影中、父親役の吉田から多くのアドバイスをもらったという。特に「外道」など、聞きなじみのない言葉のイントネーションに苦戦した。

「聞き慣れない江戸の言葉だったので、私が結構イントネーションに苦労しました。なので鋼太郎さんには、イントネーションを直していただくことが多かったですね。結構ギリギリまで鋼太郎さんに言っていただいて。その正しいイントネーションを、そのまま復唱するみたいな感じでした」

今作で「新しい自分を表現できた」と納得の表情を見せた。21年、映画「街の上で」「あの頃。」「うみべの女の子」に出演し、第43回ヨコハマ映画祭で最優秀新人賞を受賞。今後も楽しみな存在だ。目標の女優は蒼井優(36)。作品で見せる表情に、ハッとさせられることが多いという。

「今まで私がやってきた役って、小悪魔だったりそういう役が多かったので、今回の『善人長屋』で、今まで知ってくださっていた人にとっても、私の印象がだいぶ変わると思うんですよね。今後も、そういうのを続けていきたいですね。1つの役の印象に固定されずに、『こんな役もできるんだ!』みたいな。新たな発見みたいなのが、ずーっとある女優さんでいれたらいいなと思っています」

◆中田青渚(なかた・せいな) 2000年(平12)1月6日、兵庫県生まれ。14年、オーディションでグランプリを獲得し芸能界入り。映画は17年の「3月のライオン」、19年「見えない目撃者」などに出演。18年のTBS系「中学聖日記」、21年NHK「声がききたい。」フジテレビ系「踊り場にて」など、ドラマにも多数出演。身長165センチ。