米俳優ジョニー・デップ(59)から名誉毀損(きそん)で訴えられていた裁判に敗訴した元妻で女優のアンバー・ハード(36)が21日、正式に控訴申請したことが明らかになった。米バージニア州で行われた裁判で、ハードが2018年に「自身はDV(家庭内暴力)被害者である」と米ワシントン・ポスト紙に寄稿したことが名誉毀損にあたるとするデップ側の主張が認められ、ハードに対して1500万ドルの賠償金を支払うよう命じる判決が下されていた。

デップを反訴していたハード側も裁判で200万ドルの賠償金を勝ち取ったものの、判決を不服として判決直後に控訴する考えを示していた。その後、ハードの弁護士が「陪審員の一人が別人に入れ替わっていた」と主張し、判決を破棄して裁判をやり直すよう求めていたが、判事に訴えを却下されたと報じられていた。これを受け、最終的に控訴の申請に踏み切ったと見られているが、控訴には多額の保証金が必要で「金欠」が伝えられるハードは保証金をまだ支払っていないと米メディアは伝えている。

 

ハードは声明で、「憲法修正第1条に合致した、公正かつ公平な評決を妨げる誤りを裁判所が犯したと私たちは信じています。この申請がツイッターで炎上することは分かっていますが、公正さと正義の両方を確保するためには必要な措置です」とコメントしている。一方、これを受けてデップ側の代理人は「陪審員は6週間にわたる裁判で提出された広範な証拠に耳を傾け、複数の事例で被告がデップを中傷したという明確な評決を満場一致で下しています。私たちはこの裁判に自信を持っており、評決が有効であると確信しています」と反論しており、翌22日に200万ドルの賠償金の支払いを巡って控訴したとCNNが伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)